第13話 魔王の謎

僕の知識ではヒヨコというものはもっとすぐに大きくなるものだ。


「わがはいはまおうであるぞ」

しかしこのヒヨコ魔王は全く変わらなかった。


「言葉もあまり覚えないみたいだね、君は」

僕は頭の上に乗っかったヒヨコ魔王にそう言った。


「わがはいはまおうであるぞ」

はいはい。


それにしても不思議である。魔王とは一体どういう区分なのだろうか。


「魔王は魔王だよ」

場長はどうでも良さそうにそう言った。


「でも前、公園を歩いてる魔王みたいのも見かけましたよ?」

僕は不思議に思って訊いてみた。


「そりゃあそうだろう。お前さんがその公園に居て、今ここに居るようにな」

うーん、どうも何か伝わっていないような、僕が理解しきれていないのか。


「…この子もこの畑みたいなところで生まれたんですかね…?」

ヒヨコ魔王を指差してそう言うと場長は大笑いした。


「お前さんは面白いやつだなあ」

うーむ判らない。


ただ予測はついた。魔王とはこの畑からのみ栽培されるモノではないらしい。

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