第8話 村の朝

「そういう事だったのか」

僕はなんとなく納得して宿を後にした。


宿は夕食も朝食もなかったがお腹は満たされていた。


「つまり、パンとかはあくまで嗜好品なのね」

理屈は分からないがある程度は納得した。


「…となると、君は一体なんなのだろうね」

僕はヒヨコ魔王を掌に乗せてそう語りかけた。


「わがはいはまおうであるぞ」

はいはい。


とは言え困った。僕は一体この世界でナニをどうすればいいんだろう?


「すぐに干上がる訳じゃないけどさ…」

毎日7000円近い出費は痛い。


「とりあえずどこかで相談しないとなあ…」

とは言え困った。いきなり村人にかけるのも躊躇われるし。


「警察か、市役所か、あるいは村役場みたいなところを探そう」

随分と現実的な探索の旅が始まってしまったのであった。

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