第7話 宿屋は宿屋

僕は驚いたままその部屋に案内された。


「どうぞごゆっくり」

女中だか仲居だかはそう言って一礼して出ていった。


「…なんでよ…」

魔王が2ゴールドでパンが1ゴールドである。宿代だって相応だと思うじゃないか。


「ご宿泊ですと6800円ですがよろしいですか?」

ちょっと待ってどうなってるの。ていうか今「円」って言ったよね?


驚いていると更に驚きの事を言われた。


「カード決済でしたらこちらにお通し下さい」

うわカードリーダーまである。というか電子決済まで使える。


「領収書は如何なさいますか?」

ああ、上様で、一応。


「おまたせしました」

そうして訳の分からない文字を加筆された領収書をもらった。


一体どんな部屋なんだろう?と思ってたらRPGぽい部屋だった。


「冷えるな…」

なにせむき出しの石作りなのだ。


「暖房スイッチとかないかなあ…」

僕は淡い期待で部屋を探したがそういうモノはないらしい。


「ベッドに包まるしかないなあ」

そう言ってベッドに入るとすぐに眠りに落ちた。


ああ、あれはこういう事だったのか。僕は眠りに落ちる前にそんな事を思った。

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