第2話 道具屋

「いらっしゃいませ。ここは魔王屋だよ」

さらっと凄いこと言ってるぞ。


「えーっと…?」

そりゃあ戸惑う。なんて聞けばいいんだろう。


「それとも何か売ってくれるのかい?」

あいや、とりあえず商品を見たいですハイ。


・まおう

・やくそう

・どくけしそう


「ああ、売り物なんですね」

しかも目玉商品らしい。まあそりゃそうか。いやおかしい。


「魔王を買うかい?」

店員は普通にそう訊いてきた。


「ええと、おいくらなんですか?」

そもそもお金はどうなるんだろう。


「2ゴールドです」

安いな魔王。


「…これでどうにかなりますかね?」

僕はとりあえず500円玉を出してみた。


「はい498円のお返しです」

これでいいんだ。というか円でお釣りが返ってきた。


とりあえず魔王を買った。ツノの生えたヒヨコだった。

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