四 ウデグミのカワベリ

ウデグミ している

カワベリ のベンチ

ヒザウエ に詩集を

カンガエ は様々に


いいのかしら

呟く貴女

いいのかしら いいのかしら

これでいいのかしら と

右に 左に 首を傾げて

眉間にしわを寄せ 目をつむり

カワベリの風に吹かれる 亜麻色の髪

瞑られた鳶色の瞳の中を廻る カンガエ

ウデグミ の胸の中で ヒザウエ の詩集と

相対する 貴女の詩情 ひたすら 対峙している


川面を行く つがいの鴨は 詩を思うか

貴女が詩を思うとき

私は詩より 貴女を思う

それが申し訳なくて 貴女にお持ちした

コーヒーを手渡すと 貴女は

あら、気が利きますわね と

微笑んで

私は ソレダケデモウ

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