第2話

どうでも良くなったので、スマホをとりあえず手に取る。

いつも通りのニュース、殺人・強盗・誰かの不倫・交通事故・結婚、、、

自分の知らないところで、繰り広げられる世界が別にあってそこだけで起きているのではないだろうかと思えるほど無関係なニュースが流れてくる。

そして、新政権の確立。これも心底どうでもいい。ただ、増税だけはめんどくさいななんて言いながらニュースサイトをスクロールしていく。いつも通り流れて行く日常がどうでも良くなって、青い鳥のアイコンをタップする。そこでも、いつも通り人気だけでファボを稼いでる有名人たちと、面白いことを言ってる気はするが全然伸びることのない他愛のない会話が流れてくる。そこでも結局ニュースに関連した話や、特定の話題に絞ったどうでもいい情報が流れてくる。しばらく開いていないけどな・・・と考えながら、ホームを長押しして昔の鍵垢を開く。通知が10件以上たまってからどうでも良くなってしばらく開いていなかったものだ。同級生たちのよくわからない戯言が流れてくる。やけに写真が多いような気もするがそんなもんだろう。結局何回もスクロールしてホームを押してを繰り返しながら10回くらいそれをやっていると、いい加減ほとんど見るものは見たような満足感がやってくる。その後、インスタを開いてストーリーが誰も更新していないうことを見ると、アプリを全部フリックして切った。意味もなく電源をつけたままケータイカバーのマグネットでカチカチするを繰り返す。これも飽きてきたので、もう一度、青い鳥を開いてみる。20件くらい新しい内容が来ているようだが、もうそれ以上はない。そのまま電源ボタンを押してカバーをパチンと閉じて、携帯を頭に乗せる。特にやりたいことがないわけではない。外に行けばやらなければならないことがたくさんあるし、ここで時間を潰すべきではないのが分かっっている。そもそも、こういう時間が好きなわけでもない。でもなぜかここに落ち着いているのだ。

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