閑話 アメリカ合衆国政府要人発言集

アメリカ合衆国副大統領 フランクリン・A・ルーズベルト

 ロシア率いる国際連合に対する閣僚会議での発言。

「何としてでも奴らから先に手を出させろ」


アメリカ合衆国国務長官 コーデリア・ハル

 リベリアの探索者がアメリカの原子力潜水艦を所持していることに対し、私的なパーティーの席での友人達への発言。

「うぅん? こりゃあ私のハル・ノートが火を吹くわよぉ!」


アメリカ合衆国農務長官 アンナ・オバマ

 植物工場を視察中、収穫されたスイカを美味しそうに食べながら。

「全ての合衆国市民がスイカを食べられるようなスイカ・ケアが必要なのです。

 Yes We Can!!(私達にはできます!!)」


アメリカ合衆国大統領補佐官 ビリー・クリントン

 新しく来たホワイトハウス実習生を遠目に見ながら、近くにいた空軍参謀総長に向けた発言。

「彼女、めっちゃホットじゃないか!」


アメリカ合衆国空軍参謀総長 カーテス・E・ルメイ大将

 ビリー補佐官への返答。

「そんなことよりも、どうやって魔界の植物擬きを燃やしてやるかだ。

 クックック、奴らを原始時代に戻してやる!」


アメリカ合衆国陸軍参謀総長 ロバート・リー大将

 ビリー補佐官とルメイ大将に向けて。

「補佐官、今は仕事中ですよ。

 ルメイ大将、あれは鉱石の一種なので燃えません」


アメリカ合衆国海軍作戦部長 ハーネスト・キング大将

 上記の会話中、偶然近くを通りがかったので、挨拶代わりに一言。

「海軍としては陸軍と空軍の意見に反対である」



第49代アメリカ合衆国大統領 ジョージ・Wウォーター・ブッシュ発言集


2045年5月15日:ダンジョン戦争開戦発表後、国境断絶による経済的打撃にはどうしたら良いかと聞かれて。

「非常に困難な状況だが、ようは低所得者に金を与えれば良いんだろ」


2045年5月18日:日本が開戦から3日で階層攻略に成功した時の演説を一部抜粋

「我々人類が対峙している敵は全くの未知なる存在だ。

 しかし、奴らを我々が打倒できることを、日本の戦友達が証明してくれた。

 我々の敵は革新的で、兵士も武器も豊富に持っている。

 我らのステイツも同じだ!

 奴らは狂暴で残忍で、極めて自己本位な欲望を持っている。

 我らのステイツも同じだ!!*

 そんな奴らに人類は決して敗北することはない!!!」

*:「我らのステイツとは違う」と強調すべきところを、直前の「~も同じだ」という表現につられてしまったようだ。


2045年5月21日:日本が2つ目の階層を攻略成功した際、スピーチに訪れた小学校の生徒達から他の世界と戦うとはどういうことかと聞かれて。

「老人ホームに行ってボランティアをするようなものだ」*

*:特別な人達しかできないことではなく、意志さえあれば誰にでもできることだよ、と言いたかったようだ。


2045年5月23日:日本が自国も攻略に参加していたダンジョンを攻略した際の演説中、自国の優位性を強調するために日本を貶めようとした一言。

「日本における対米輸入の100%は我が国からのものだ!!」*

*:日本は米国からの物資に依存していることを主張したかったようだ。なお、ダンジョン戦争中は国境断絶の為、日本との交易は無くなっている。


2045年5月24日:自国の探索者達との会談で、ディスプレイに探索者が映し出された時にもの凄く喜んで「ハロー、ヒーローズ」と言いながら手を振っていた。

 暫くしてまだ相手側から見えていないことにやっと気づき、大統領は静かにその手を膝に戻した。*

*:大統領はいつも可愛い。


2045年5月26日:フランスが人類同盟を抜けたことによって、同盟指導者であるエデルトルート女史のリーダーとしての資質を疑問視する声に対して。

「私はリーダーに関してあなた達とは少しだけ異なる考えを持っています。

 私が考えるに、リーダーとは人々をまとめる人間を指すのです」*

*:健気に頑張っている少女を精一杯フォローしたかったらしい。


2045年6月3日:国際連合の物資集積所が何者かの破壊工作を受けたことに対するスピーチ。

「カナダとメキシコの国境が今日ほど穏やかだった日は今までにないでしょう!」*

*:同盟所属のカナダと連合所属のメキシコを引き合いに出して、人類の結束に対する不安を弱めたかったようだ。ちなみに、カナダとメキシコの国境は接していない。


2045年6月4日:国際裁判で起きた乱闘中、自国の探索者がウクライナの探索者によってボコボコにされている映像を見て。

「弱いプロレスラーがいたものだ」*

*:彼は常にユーモアを忘れない。


2045年6月5日:スウェーデンの探索者が暗殺されたことを受けて。

「犯人が全ての悪事を白状しないのならば、ステイツが全ての悪事を白状するまでだ」*

*:「ステイツが全ての悪事を白状させてやる」の言い間違いなのだと思いたい。


2045年6月7日:子供達から快進撃を見せている日本とはどんな国か聞かれて。

「日本語を話す」*

*:子供達の知識を考慮して、最も基本的なことを伝えようと思ったのであってくれ。


2045年6月17日:日本による大規模燃料気化爆弾(NOFE)使用についてコメントを求められ。

「いいかい?

 自由で平和を愛する国家は、大量破壊兵器なんて開発しない」*

*:大統領はいつも自由だ。


2045年7月2日:アメリカ探索者が投じた資本に見合う活躍ができていないことへの政府批判に対するコメント。

「私のことを大統領として知能が足りないと言っている人々は、その事実をまだまだ過小評価している」*

*:頼む、そろそろ黙ってくれ。

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