第四十話 ステータスと無人兵器
『上野群馬 男 20歳
状態 肉体:普通 精神:普通
HP 9 MP 36 SP 14
筋力 12 知能 19
耐久 10 精神 20
敏捷 11 魅力 11
幸運 22
スキル
索敵 150
目星 50
聞き耳 65
捜索 65
精神分析 30
鑑定 60
耐魔力 45
魔石付与 35』
「—— うーん、マーベラス!」
ダンジョンから根拠地に帰還後の恒例となったステータス確認。
今まで基礎能力は幸運、知能、精神しか伸びていなかったが、今回ようやく筋力と耐久が1ずつ上がってくれた。
「思えば今回は体を張ってばかりだったなぁ……」
目を
初期の頃に夜な夜な繰り広げた曲芸飛行。
中盤では敵の一個飛行隊に追いかけられながらの曲芸飛行。
後半は雪に埋もれながらの白兵戦。
終盤に至っては敗残兵を率いて猛吹雪での決死戦。
俺、良く生きてたね。
我が事ながら1、2カ月前まで唯のパンピー大学生だった奴が、あれほどの激戦を良くぞ生き残ったものだ。
人類同盟にしても後から聞いた話では、今回の戦いでの死者数は片手で数える程度だという。
戦線崩壊の上に前衛部隊が壊滅した割には、驚くほど人的被害が少ない。
高嶺嬢や白影など特典持ちの活躍に隠れがちだが、なんだかんだ探索者達は高い能力を持っていたようだ。
おそらく大半の探索者達は、単体の俺よりも高い戦闘能力を秘めていることだろう。
まあ、しょうがないよね!
『アルベルティーヌ・イザベラ・メアリー・シュバリィー 女 20歳
状態 肉体:自己興奮 精神:興奮
HP 16 MP 24 SP 27
筋力 18 知能 14
耐久 18 精神 6
敏捷 56 魅力 21
幸運 4
スキル
超感覚 120
隠密行動 90
投擲 95
耐炎熱 95
無音戦闘 55
空中戦闘 80
妄執 90
装備
黒い頭巾
黒い装束
黒い手甲
黒い脚甲』
アルベルティーヌこと白影は相変わらず敏捷値が群を抜いて高い。
豆腐メンタルと幸薄っぷりも変わらず。
彼女の戦闘能力はガンニョムや強化装甲とどっこいどっこいだろうが、カトンジツによる空中戦闘や広域殲滅、SYURIKENによる掃射、NINJAっぽい隠密行動など戦術の幅は広く万能と言っても良い。
端的に言ってチートだ。
十分な兵站さえ確保できれば、コイツ一人で階層攻略も可能だろう。
フランスというとんでもねぇ負債が付いてくるものの、彼女の存在はそれ以上の国益を日本に
しかし…… 肉体も精神も興奮状態なんて、彼女は今何をしているのだろうか?
ダンジョンから根拠地に繋がる扉の前で白影と別れた時のことを思い起こす。
そういえば別れるとき、彼女からのボディタッチが心なしか激しかった気がしなくもない。
鼻息も荒かったようだし、何か関係があるのだろうかな。
『高嶺華 女 20歳
状態 肉体:健康 精神:普通
HP 44 MP 2 SP 44
筋力 44 知能 2
耐久 42 精神 27
敏捷 44 魅力 21
幸運 4
スキル
直感 180
鬼人の肉体 45
鬼人の一撃 35
鬼人の戦意 30
我が剣を貴方に捧げる【捌】 23
装備
戦乙女の聖銀鎧
戦乙女の手甲
戦乙女の脚甲』
最強。
高嶺嬢のステータスはその言葉を見事に体現している。
脳味噌まで筋肉でできていそうだが、それを補って余りある戦闘能力は人類の決戦兵器として何ら不足ない。
一之太刀とかいう意味不明な必殺技を特典に頼らず自前で保有する彼女は、暴走さえしなければ地球人類にとっての希望と言える。
俺が目を離すと毎度の如く厄介ごとを起こすのが玉に瑕だが、この際それは彼女のチャームポイントだと考えよう。
定期的に撒き散らす狂気も、戦闘のたびに生み出される地獄絵図も全部含めてチャームポイント。
うん、そう考えるととっても可愛いね!
「彼女らのことは置いておくとして、今後の戦術はどうしようか……」
ダンジョンの敵は予想を超える速さで増強されている。
最初のダンジョン、魔界第1層では洞窟内に精々1000体程度の集団がいるだけだったのが、今回の高度魔法世界第3層では数百㎢の戦域に数個師団の近代軍が展開していた。
俺達もダンジョンを制覇するたびに成長しているとはいえ、正直なところ個々人の戦力でどうこうできるレベルではない。
戦略規模の戦力を単独で壊滅させる高嶺嬢と白影の存在は気にしないことにする。
従者ロボも2体ずつしか増えない以上、我々チーム日本も人類同盟のように無人兵器を本格的に戦闘へ参加させるべきだろう。
今でも偵察や輸送に無人機を活用しているが、次の戦闘では無人戦車や無人戦闘機の戦線投入も躊躇ってはいられない。
幸いにもミッション報酬であるジャンボジェットの売却によって得られた資金は、今や1兆600億円。
このまま溜め込んでいても意味はないし、ここはパッと使ってしまおうか。
他勢力との連携という手段もあるけど、ダンジョンの利益は出来るだけ独占しておきたい。
それに殺人が起きてしまうほど国際関係がギスギスしている現状、積極的に他勢力との関係を深めるのは遠慮したい。
もう既に手遅れ感は否めないが、人類同盟と国際連合のどちらとも連携するなんて無理な以上、毎回どちらかの勢力と連携してダンジョン攻略なんて外交的に袋小路へ一直線だ。
第三世界陣営との連携なんてのは論外。
国家としての格が明らかに釣り合わないし、こちらに寄生されるのが目に見えている。
そう考えると、やっぱり無人戦力の増強による日仏単独での攻略を続けていった方が良いよな。
幸いにも従者ロボは教育さえすれば無人機の運用が可能だ。
上手く使えば同盟や連合並みとはいかないまでも、大規模な無人兵器群で戦線構築も夢じゃない。
「こんな状況になっても人類は一丸となれないのか」
それっぽいことを言いながら席を立つ。
一丸になる気は微塵もないが、言うだけならタダだ。
生放送中である以上、対外アピールは欠かせない。
席を立って向かう先は根拠地内に設置された武器屋。
よーし、ぐんまちゃんは盛大に散財しちゃうよー!
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