第6話 先送りにすべきでない問題



 一時は、壊れてしまうのではないかと思った。

 オルタはまだ大丈夫だったが、仲間思いであるキャロンが心配だった。


 けれど、彼等は互いによく話し合って答えを出したようだ。


 オルタとキャロンは、自分達が犠牲にしてしまった人達への罪滅ぼしとして、ある方法を選んだ。


 世界の終わりを見届けるという方法だ。


 コールドスリープする方法で、彼等は人類が衰退していった末世まで眠り続けるという。


 そして、歌姫とともに世界の最後に幕が下りるのを見届けるのだと。


 私に言うべき事はない。


 悩みがなくなったかのように晴れやかな表情を見せるキャロンを前にすれば、寂しいなどと言えるはずもなかった。


 私は笑って彼等を見送る事にした。


 願わくば、幸福な終焉を迎えられるように。


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