第2話 運命



 運命を受け入れる事は簡単だ。

 諦めて膝を屈してしまう事も。


 けれど、私は抗う事に決めた。


 政略結婚として友好国に差し出される事よりも、敵国の想い人と共に結ばれる道を選ぶ。


 私は道具じゃない。

 私の生きる道は私自身で掴み取る。


 鳥籠の中のお姫様のままで、大人しくいるつもりはなかった。


 たとえこの先どんな苦難が待っていたとしても、

 その苦難の内容があらかじめ分かっていたとしても、

 その果てにある幸せを得る為に、


 何度だって私はこの選択を選び続けるだろう。


 私は「さようなら」別れをつげる。


 今までの人生に。

 国に。

 家族に。


 新しい人生を生きる為に、生きていた世界を抜け出して走り出した。


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