第14話 ヘンテコな世界

この世界は見れば見るほどヘンテコであり、呆気に取られてしまう。見たことの無い架空な生き物、有名な架空な生き物、そんなものが無重力に駆け回っている。


たくさんの惑星や星が、美しい色で輝いていたり、霞んでいたり、ガラクタだらけだったりしていた。駅の惑星などもあり、もうめちゃくちゃだ。まるで私が思案していたものが具現化したかのように。


「ノア、私は異世界に来てしまったの。それともこれは絵本の中?」

「ここは夢の世界だよ。しかし、現実でもある。君は時空の狭間にいる。生きてそうそう出来ない経験だ。」


どうやら私は生きているらしい。

どこか落胆してしまう。

ならどうしてこんなところにいるのだろう。


「ここはまるで私の頭の中見たいだわ。全て私の好きなもので構成されている。」

「それは素晴らしいことではないか。」

ノアは楽天的に答える。


そんなノアを目線を泳がせる。

ノアを人形通り、黒の燕尾服をきていて、杖を片手に携えていたが、中に赤のジャケットをきていた。瞳の美しさは瓜二つ。

性格は想像以上であり、紳士かつユーモア溢れた完璧な猫だ。きっと日常にいたら、彼はモテモテであろう。


「行きたい惑星はあるかい?私が連れ去って差し上げましょう。」

ノアの声を聞くと顔が赤くなってしまう。しかし、紳士の前では淑女になれば、という意味不明な理論に負け、ぐるりとまわりを 見渡した。

そして指を指した。


「ノア、私はあの惑星に行きたい。」

と言った。よく考えればわがままなのに、それを聞くと、尻尾を立て、笑うノア。

「お任せ下さい。」と答える。まるで映画の中のようだ。


私が指したのはガラクタの惑星だ。

しかし少し距離がある。あそこに行くにはロケットがないと難しいだろう。

「でもどうやってあんな遠くまで行くの?」

「うーん、ちょっと距離はあるが、飛行するのが1番適しているだろう。」

「ノア、私飛んだことないし、きっと飛ぶ能力はないわ。」

「なに、心配いらない。ここは君の世界なのだから、君が願えば何でも叶う。」

ノアの言葉には根拠は無いが、何故か納得してしまう。


「さあ、行こう。」

その声共に宙へ飛びたった。

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