第11話 入口 四宮大地視点
緑の美しい瞳は、これはずっと昼から、あったものだ。このタイミングで、この猫。
頭の中がグルグルと激しく動き、とてもむず痒い違和感が体中を駆け巡っていた。猫に声掛けけるなんて、人生で初めてだ。猫の手も借りたい。そんなことわざがあるくらいなのだから、おかしくはないか。
「おいノアだよな?」
猫は綺麗な瞳こちらに向け、距離をある程度保ち、上品な立ち居振る舞いをしていた。俺はノアの方へ向かいながら話を続けた。
「お前が偉く気に入ってた奴が迷子になっちゃって。ひょっとしたら、何処にいるか知っているか?」
ノアは耳を下ろし、尻尾を膨らませ、完全に怒っている。しかし次に信じられないことが起きた。
「こんばんは。今宵のような素晴らしい日に会えて光栄に思います。今回は、夢乃様の件で伺いに参りました。」
期待はしていたが、まさかそんなことがあるとは。夢でも見えているのか。いや、今夢乃といった。
「ノアさん!夢乃さんどうかされたの?」
「夢乃様は安全な場所にいらっしゃるので、ご心配には及びません。どうか警察沙汰にはなさらないようお願いしに参りました。」
正直、そんなヘンテコな猫に言われても飲み込める話じゃない。
「夢は何処にいるんだ!」
と道が怒鳴るような声を出すと、蓮と美月が何処か気味の悪そうな顔をしていた。
「なるほど。君達は夢乃様に会いたいのか。先程までとはまるで異なるな。しかし、その願い叶えて差し上げよう。」
とノアが意地悪く言った後、光が突然現れ、目を大きく瞑った。━━━━━
目を開けると全く見覚えないのない建物の中にいた。
俺は驚いている間に、 不思議なフクロウがこちらを見ていた。
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