第7話 入口

そのフクロウは恐るることを知らずにはっきりと喋った。満天の星空の下、まさかフクロウにクギ付けになるとは。人生何が起こるか分からない。

呆然としていたが、これを他の人に見られたらまずいのでは?と考え、皆が上を向いているうちに、私はフクロウを連れ、家に戻った。化け物扱いされるのは間違いなし。私は不思議とフクロウの存在を受け入れられていた。

ヘンテコな鳴き声をしたが、気にしないとしよう。

「夢乃様、何を急にされるのですか?」

「あなたこそ、この世界ではフクロウが急に喋ったらいけないのよ!解剖されちゃうかも!!」

「あなた?」

怪訝そうに言うフクロウ。私からして見れば、こんなヘンテコなフクロウに、そのような対応される覚えはない。

しかし、名乗ったのに名前を呼ばれず、悲しい気持ちになるのは事実。

「私の名前はデイリーです。それに私の姿形、存在はあの方々に認知出来るものではございません。」

「それはすいません。それでデイリーは私にしか見えてないの?猫はみんなに見えていたけど。」

「ノア様を見るには、はいくつかの条件が必要ですが、大方は見えているでしょう。わざわざ姿をお変えになられたのですから。私にはそのようなことを致しません。」

やっぱりあの猫はノアだったのだ。私にはよく懐いていたし、納得が着く。

するとデイリーは急に大きな声を上げた。

「わぁ!?もうこんな時間ではありませんか!お話している暇は御座いません。早く目をつぶって下さい!」

デイリーの勢いに負け、大きく目を閉じた。これから先何が起こるかもしれずに。

すると突然、先程まで暖かい室内に居たのに、今や寒空の下に降りたって居た。体の震えが収まることを知らない。

―これはどういう…。

「夢乃様、こちらでございます。」とデイリーの声の方へ向くと、大きな公の施設のような、洋館で西洋の大きな図書館のような施設がある。

「お寒いですよね?中へ至急お入り下さい。鍵はかかったおりません。」

私は洋館の方へ向かうことにした。デイリーには少し怒りたいことがあるし、それしかしようがなかったからだ。


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