第10話 麻痺の習得、真似をする者

 …いやあ、まさか闇の龍が鳴仲間になるだなんて思ってもなかった…「でもどんな目にあっても大丈夫かな…すぐには助けに来れないって言ってたけど」そう、前回私は龍を倒す寸前まで行ったんだけど…龍が自分の行いを償うために仲間になるって言ったんだよね。私も女王も、街の人も全員首を縦に振ってた。

 それより今週はどんな魔物が来るんだろ…?いやあ楽しみ…じゃなくて、ドキドキしてた。ちなみに、今私は麻痺の魔法を習っている。教科書には”魔法による強力な麻痺であり、発動者の魔法でないと治せない”と書かれていた。そして動けなくはなるけど痛覚はそのままらしい。えっ…恐ろしい…そしてさっそくその魔法を実際に試すという…自分の体で。

 「じゃあ試すよ…”パラライズ”…ぐっ…ほんとだ、全く動けない…っそれになんかビリビリして痛い…!」その効果は絶大だった。体は指一本動かせず、さらに全身には激しい電気が流れたような激痛。…使い方には気を付けないと。そして治すには…”パラズトリトメント”その魔法を唱えた瞬間、「わあ…全身の痛みも消えたし動ける…これはすごい…次魔物が送られて来たら試してみよ…」


 その時…魔物が送られてきた。見た目は普通の人間のようだった。でもなんだか雰囲気が不穏…

 ””ハハハ♪私を楽しませてくれない?君がやった行動をすべてそのまま私が真似してお返しするっていう遊び♪言っとくけど攻撃したらこっちも攻撃するよっ♪でも同時に複数人の真似は無理だからそこは勘弁してね♪””

 この魔物を見て私はドストレートにこう言った。「うわあ…絶対危険な魔物だ…何とかして倒したほうがいいかな…でも様子見が…ああっ誰か攻撃した…その隙に…”パラライズ”」私は問答無用で魔物を麻痺させた。動きは封じたけど…

 ””ふーん、君はそういう魔法を使うんだ♪でも今ので動けないから代わりに同じことするね♪パラライズ♪””「なっ…しまっ…うぐっ…!」とっさに私はよけようとした。でもこの魔法は相手に直接魔方陣が展開されて貼りつくので回避は不可能だった。当然そのまま魔法が発動し…私は動けなくなった。

 「くっ…ぐ…体…が…痺れて…動け…ない…っ」やってしまったかもしれない。たちまち私は前に倒れ込み、何とか動こうと両手で体を動かそうとするも…「ぐぐぐ…痛っ!?電気が走るような感覚が…っ…はあ、はあ…”パラズトリメント”これで何とか…ふう…」何とか麻痺が治せた…ただ同時に相手も私をまねして回復した。うーん麻痺はやめておこ…

 ””わたしはやったことを すべて真似するからね♪たとえば君が…ああ、恐ろしくて口に出せない♪でもいえることは、君に私が倒せるかわからないね♪””

「ああ、うん…そう」なんか少しイラっとした。こうなったら放置してみよう。私は何もしないし、周りの人も攻撃の手を止めた。そして数分後・・・

 

 ””うぬぬ…そうだよね、私がすべてをまねするなら放置、私はそれをまねする…つまり何も起こらない…んーなんか楽しくないなあ…そうだ、最後に一発楽しいのを見せよ♪”エクスプローズ”じゃあね~””その瞬間魔物は爆発し、消滅した…「なに、なんだったのあの魔物は…」私は困惑した。でも魔物が自爆したってことは倒せたってこと…。はあ、なんだ疲れだ出てきた…・戻ったら少し休憩しよ…。


続く

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