第6話 触手に絡まれ遊ばれる

 …先週はひどい目にあった…蜘蛛に痺れさせられるし倒した後も蜘蛛糸の拘束から抜け出せなかった…次から気を引き締めないと…

 そう思っていた矢先、私はあるものを見つけた。

 「たこ焼き…?なにそれ…食べてみよ」さっそく買って食べた。熱い熱い…!やけどしそう…でもすっごくおいしいしタコの…足はそれの足という。

 「これ、完全に触手…」それにしか見えないのは私だけ…じゃないみたい。いつの間にか街にいた巨大なタコの足を触手みたいってつついたりしてる女の子がいた。ってちょっと待って。そのタコ…まさか…

 

 「ちょっと離れて!それ絶対魔物だから!しかも暗黒の世界から送りこまれた危険な個体!」そう叫ぶと、周りにいた女の子は慌てて離れた。でも遅かった。タコは自慢の触手で捕まえ、吸盤を使って魔力を吸収し始めた。「いや…痛い痛い!しかも吸われてる…!」「助けてっ!」「ん…!(口に入り込んできて気持ち悪い!)」…女の子の苦痛な声が聞こえる。そしてそのタコの魔物は叩きつけようとして反応を楽しんでたりと非常に凶悪…早く助けないと、大変なことになる。

 

 「私が来たからにはもうこれ以上悪いことはできないよ!たぶん!」魔物に向かってそう叫んだ。っ次の瞬間魔物は私めがけて触手を振りかざした。しかし間一髪で避けれた。「っはあ…タコの弱点は…確か真水で怯んだはず…”シン・アクアトルネイド”」たまらずタコの魔物は怯み、触手から女の子を離した。そしてつかまってた子は全員遠くに逃げていった。「今がチャンス!”ヘヴィフレイム”!」瞬く間にタコの魔物は火が通り、動くことはなくなった。…つついても反応はなし、そして赤く変色しておいしそうな色になっていた。…つまり、討伐に成功したっぽい。

 「あれ、なんか今回はあっさり行けたね…なんでだろ」不思議に思っていると、向こうから悲鳴が。そこには巨大な触手がいた。送りこまれる魔物は一体だけのはず…つまり、さっきのたことこの触手の片方、そのどれかはこの世界に自然に生息してる魔物だったのかも…いや、それは今はどうでもいい。早くこれを倒さないと。そして私は変身を…する間もなく、背後から別個体の巨大触手につかまった。どうやら自然に生息してるのはこの触手魔物みたい。「やばい、何としてでも抜け出さないと…!!!」


 「ふっ…うぐぐ…こっの…!」触手は私の右腕をつかんでいる。とりあえず魔法を当てないと…「”ヘヴィフレイム”!」…しかし、なぜかダメージが入らない。その隙に触手は左腕、両脚に絡みつき、私は触手に捕まった。

 「ちょっ…離して…!…ぐっ…!」振りほどこうと全身に力を籠め、必死に抵抗した。「ほんとに…離してって…!っく…このっ…」両効かない手足をガチガチにつかんで離してくれない。しかも魔物は二体。そして拘束からは抜け出せず、魔法も聞かない。

 「はあ、はあ…だめ、動けない…それに魔法も効かないなんて…っむぐ!?」動けずにいると、突如一本の触手が私の口に入り込んだ。

 「ん…!(き、気持ち悪い…それに…魔力が吸われてる!?振りほどきたいけど…手足が拘束されてて抵抗できないし…どうしよう…)」

  途方に暮れていた時、突然魔物から伸びるすべての触手が切り裂かれた。いったい何が…?「助かったけど…誰か助けれくれたのかな…?しかし人の姿は見当たらない。まあいいや、今までの仕返しを…!そして変身し、態勢を整えた。「…さっきまでよくもやってくれたね…!もう許さないよ!…と言いたいけど、魔法は効かないし…あっそうだ、あれなら…”オブシディブレイド”」魔法で黒曜石の剣を二本召喚し、それを魔法で操って触手の魔物をたたき切った。物理攻撃扱いになるってことを忘れてたんだよね、この魔法。

 

ニチャァァァァァァ


「うわ、鳴き声可愛くない。」それより、何とか魔物を倒せた。送りこまれた魔物よりこっちの世界に元から生息してる魔物のほうが危険だなんて、そんなことあったっけ…?そういえばあの触手、なんかおかしかった気が…まあ、討伐はできたしいいか。そうして私はすぐに報告し、そのあとは傷をいやした。


続く

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