八冊目 ラメルノエリキサ その四
幼い頃の受けた傷――長年、心の中で降り積もっていたあの日の雨を晴らすかのような、ささやかで晴れやかな復讐。
けれど、それは同時に二人への感謝の印。ここまでのエピソードの数々が、私にとっての復讐であり感謝でもある。
前に進むための二歩三歩。無茶な願いを繰り返し、こんな遅筆で視野が狭い私を成長へと導いてもくれた二人への。
ありがとう。
そして、ごめんなさい。
もう許しているという風にここまで散々述べてきたけれど、やはりけじめは付けなきゃいけないような気がします。
ラメルノエリキサじゃないけれど、わだかまりを無くし、受けた傷を等価で返すことによって、初めて復讐は復讐足り得ると私だって思うよ。
だけど、それはお礼や感謝だって変わらないはず。
小説家ならば、漫才はもちろんのこと、バトロワだって、タイムリープだって、田舎の子供たちの戦争だって、学園ミステリだって、過去の過ちやトラウマだって、復讐劇だって、全部が全部、みんながみんな、どんな形であれ、良いも悪いも含めてまとめて伝えていかなきゃならないよね。
だから、
私の成長の証をそのまま返します。
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