第4話 やっと数ヶ月、やっぱり事件

初の旅立ちは産まれてから数週間の時だった。

その時はそんなに苦労も無い。

ただ単に村に魔法使いとして出向いて情報と食事が可能かどうか。

そして体がこの惑星に合うかどうか。

ちなみに言語については翻訳機を持っていった。

服装はマント二枚、革鎧に見える謎の金属(結構軽い)。

あとは黒い服だけだ。

持ち物は金属の武骨な杖に短剣。旅用のアクティブバックだ。

あとその他含めて体重を引いて合計8kg。

しかし体は作り物なのであんまり重いとは感じない。

道すらない場所に扉はあった。

マントがなだれ込んで来た暑い空気でパタパタと激しく空気を打つ。

その内側にある鎧は光を反射して天井に光を灯した。

草木が生い茂る景色の中には空を飛ぶ色鮮やかな鳥やこの扉から逃げているリスに似た動物。

そして、人がそこに居た。


[ッ!?]


生活補助AIのアパタイトが息を吸った。

扉が閉じ始めた。

人がこちらに走り始めた。

50mの距離だ。間に合うはずがない。

しかし、想像はあっさり砕かれ。人が扉に手を挟んだ。

獣のような叫び声が扉の隙間から耳へと来た。


「扉を開けて!!」


[わかりました!]


すぐに扉は開き、手の甲から血が出ている人の肩に手を置いた。

女性の匂いが鼻孔を刺激した。


[対応班が直ぐに来ます。見た目から骨は折れていますのでそのままの体勢で動かないで・・・]


そこまでアパタイトが言ったその時である。

女性は彼を掴んで走り、そして消えた。


[間に合わなかった・・・対応班はその場で待機。グリフォン2は発進準備をしてください]


扉は閉まり始めた。

崖から扉の振動で落ちる砂がパラパラと強化コンクリートに衝突する。

そしてガシャンと扉が鳴り響き、砂が今までよりも多く落ちて砂煙を巻き上げた。








[キロク 不明 著者 研究員18]

今日、割り森で約17年ぶりに例の鳥が確認された。

高速で回転して時間が巻き戻る現象を使って飛ぶ鳥だ。

飛んでる最中はプロロロロと空気を波打ったような音が聞こえる。

いや、切り裂いたような音かもしれない。

最近開発された望遠鏡を使うと意外な事が発見された。

口が無かったのだ。

しかも目はとても大きく。一つだけだった。

しかも下に付いている。

我々で言うとアゴに当たる部分だ。

そして、高速で回転している部分がもう一つあった。

尻尾だ。

何故?あそこに高速で、しかも横向きに回転している翼があるのか?

我々の考察ではあの回転しているのは面に向かって飛ぶ力を有しているはずだ。

我々の考察はさらに広がった。

方向転換に利用しているのは一同の決定で決まった。

では、何故真っ直ぐ飛んでいる時にも回転しているのか?

我々は活発化したあの鳥。いや、竜とも言える存在の調査をまた始められるらしい。

それよりもだ。

あの鳥が生息しているのは割り森だ。

そこに調査に向かった彼等が気になる。

無事で居ると良いのだが・・・

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