第14話 『占いvs兵法』あらすじ ver.0.0.2

ミロス王国

 クローゼがブロンクト公国と戦い、即断即決の占い(六壬神課のように時間によって卦が決まるタイプの易)を駆使して公国軍を翻弄する。さらに○○(エルフとかドラゴンとか魔法とかのこれがあったらファンタジーのものを出す)を活用した強度の高い攻撃が奏功した。

 大陸では軍を動かすときに占い(周易のように偶然出た卦を考察して吉凶を占う)を駆使し、占い結果によって指揮官が過たずそれを実行することを是としてきた。

 戦いを始めるのも、敵を倒すのも、引き上げるのも。すべて神の思し召しとして占いに頼るのだ。

 そして破竹の快進撃を見せるクローゼは「神の代行者」としての名望を高めていた。

 その戦いを崖の上から見ていた人物がいるとは誰も思わなかった。(ヨハンが見ていた)。


ブロンクト公国

 敗軍を率いて帰還したフィリップは、親友のヨハンと会話する。

 敵将クローゼは素早い占いで吉方位・凶方位、進むか退くかを判断しているようだ。

 しかし戦いが神頼みとは人事を尽くさず勝機も運任せとしか言いようがない。

 そこでヨハンは「兵法」をフィリップに説いた。戦いは数が多いほうが勝ち、少ないほうが敗れる。虚を突いたほうが勝ち、実を突いたほうが敗れる。

 至極当然のことを主張するが、なかなか受け入れてもらえない。

 そこでフィリップとヨハンは兵を分けての模擬戦を何度となく繰り返し、占いを用いたフィリップ軍を、兵法を駆使したヨハン軍がこてんぱんに叩きのめしていった。

 公国は軍の行動原理を「兵法」に置き、ミロス王国の魔手が及ぶ前に組織を再編することになった。


ミロス王国

 フランツ王は占いを行なって、来月の出兵が既定路線となった。

 クローゼは占いによって来月の出兵はするべきでないと主張したが、王命である以上戦いに赴かなければならなかった。

 愛妻のシルビアへ来月の出兵について話してみたが、戦場へ赴いて進退を決めればいいと諭された。確かに戦場での進退は将軍であるクローゼの独断で決定できる。

 先輩のゲルハルトの元へ赴いて、戦わずに退く許可をもらいにいった。

 優秀な占いを擁するクローゼがそれほどまでに戦いを回避したいというのもなにかあるのではないか。ゲルハルトはそれを見極めるためにこそ出兵するべきだと説いた。


ブロンクト公国

 翌月、フランツ王の命によりミロス王国軍が国境を侵してきた。

 迎え撃つために、フィリップ将軍付きの軍師としてヨハンが参戦した。

 クローゼは軍を率いて布陣するものの、積極的な采配には転じなかった。

 そのさまを見ていたヨハンは、きっと占いで悪い結果が出たのだろうと判断した。

 ここは軽く圧迫するだけで撤退するかもしれない。とりあえずフィリップが占いをしてみると撤退するべしとの卦が出た。これはミロス軍が撤退するべしとの神の思し召しだろうと解釈して、武威を高めた。

 そのさまを見たクローゼは、やはり今は戦うべきではないと判断し、いっさい手合わせせずに軍を引いた。


ミロス王国

 戦わずに撤兵したクローゼは一時的にとはいえ前線から離れることとなった。

 代わりに王国軍を率いるのはゲルハルトである。

 フランツ王が占いをしたところ、来月にも再出兵をすることが天意として決められた。

 ゲルハルトはクローゼのところへ赴いて話を聞くと、クローゼは「敵の反応を注意深く観察すること」と念を押している。

 前回の出兵で戦わなかったのは、王国軍の対応がやけに敏感だったことにある。

 もしかするとクローゼより先に占断できる将軍を雇ったのかもしれない。


ブロンクト公国

 初陣は「戦わずに勝利した」ことで急速に求心力を集めたヨハンだが、次戦では「戦って勝利する」ことを求められもした。いつ王国軍が攻めてくるかは神のみぞ知る。だからこそ、いつでも迎え撃てるだけの準備が欠かせないのだ。

 そして翌月、ゲルハルト率いる王国軍が国境を侵してきた。

 ヨハンはゲルハルトが占いを立てる前に奇襲に打って出た。あまりの出足の早さにゲルハルトは驚嘆したが、すぐに進退の占いを立てて反転攻勢のチャンスに賭けた。それまでは耐えに耐えて防御に徹する。

 普通に考えれば、自ら国境を侵したのだから攻勢に転じれば良いものの、なぜか防御に徹しているところを見て、ヨハンは敵将が占いで攻勢に出る機会を伺っているのだろうと判断した。

 そこで、ゲルハルト軍がいつ反撃してきてもよい準備はしておいて、ヨハンは一点に攻撃を集中させる。一気に敵陣を分断してゲルハルトのいない分隊へ攻撃を集中させる。


ミロス王国

 戦争は互いの軍が正面から戦に挑んで勝敗を決するものとされてきた。しかし、現実にブロンクト公国の戦い方は、全面攻勢ではなく、王国軍を分断しようという意図があるように感じられた。将軍が進退の命令を下して兵がそのとおりに動く。これが大陸での戦い方だったのだ。だから、分断されると将軍からの命令が届かない兵たちはただ打ち減らされるのを待つばかりだった。

 このままでは致命傷を受けかねず、ゲルハルトは慎重に進退の占いを立て、進めの卦を得た。この機を逃すわけにはいかない。ただちに王国軍は攻勢に打って出る。ブロンクト公国軍は中央が一気に撤退するかに見えたが、王国軍を半包囲に引きずり込むことに成功した。囲まれたことを悟ったゲルハルトは、占いによらず全軍に急速な撤兵を指示した。

 帰国したゲルハルトは損害の大きさにより前線を外され、代わりにクローゼが再び軍を率いることとなった。


ブロンクト公国

 兵法により破格の勝利を収めたフィリップとヨハンに、王国軍へ甚大なダメージを与えるべく出撃の依頼がやってきた。いくら兵法とはいえ百戦百勝は難しい。あくまでも戦いを挑まれたときの反撃策として兵法を使うよう公爵へ進言する。

 ヨハンの妻の手料理を食べつつ、フィリップはヨハンと兵法談義に花が咲いた。

 クローゼの即断即決の占いよりも迅速な用兵ができなければ、いくら理に適うとしても先手をとられかねない。たとえ占いによるデタラメな用兵でも先手をとれればそれなりに戦えてしまうのだ。

 なんとかしてクローゼを出し抜く用兵が求められる。


ミロス王国

 フランツ王が今月の出兵時期を占い、出兵の日を定めたミロス王国は、クローゼに出撃の準備を任せた。

 準備を進める中、情報収集としてゲルハルトにブロンクト公国の戦い方を聞くことにした。

 用兵のスピードはクローゼと同等ともいえ、敵軍がよい将軍を得たとのことだった。しかしフィリップとは何度も手合わせをしていたクローゼは、フィリップの占いが劇的に改善したとは思えなかった。最近フィリップの軍師となったヨハンの存在が大きくなってくる。

 ヨハンの占いのスピードが早いのであれば難敵となるかもしれない。ただちに排除しようと間諜を放って除こうと画策した。


ブロンクト公国

 クローゼが前線に復帰してきたと聞いたヨハンは、おそらく自身が狙われるだろうことを察した。そして逆に敵の間諜をあぶり出そうと罠を仕掛けた。

 ひとりで書斎に籠もっているかに見せて敵をおびき出したのである。まんまと釣られたミロス王国の間諜は一網打尽となった。

 ミロス王国の動きにより、決戦の日が近づいていることを見越したヨハンは、こちらから先んじて攻撃を仕掛けることを提案する。しかしフィリップが覇権を競うことを嫌ったため、攻撃の手は打てなくなった。

 だが、こちらから仕掛けようという動きがあるとちらつかせたことで、ミロス王国の動きを牽制することになる。


ミロス王国

 クローゼが打ったヨハン排除の手がヨハンの策略で未遂に終わり、クローゼは改めてこちらから攻撃を仕掛ける日取りに向けて準備を加速させた。

 情報収集に動いていた間諜から、ブロンクト公国が攻撃をためらったと知り、なおさら準備に余念がない。今回は大々的に打って出て、強力な手段を用いて一挙に突き崩す戦法を試そうとしていた。そのために強力な○○(魔法とかエルフとかドラゴンとかファンタジーとわかるもの)の数を揃えるのに腐心する。

 戦いの準備が過去最高水準で整うと、クローゼは勝利を確信した。


ブロンクト公国

 ヨハンはフィリップに部隊の再編を頼んだ。人間だけで構成された新部隊は、危険な仕事を引き受ける精鋭揃いである。短距離の足が速い者、スタミナに自信のある者、力のある者、魔法が使える者、それぞれを集めた四部隊である。(ここでファンタジーらしいもの、たとえばエルフとかドラゴンとかを一部隊として出せたら映える)。また知恵のまわる者を小隊長・中隊長として集める。それぞれを教練してヨハンの指示に従うよう仕立てていく。


ミロス王国

 クローゼが王国全軍を率いて戦場へ到着すると、すでにブロンクト公国軍が布陣していた。おそらくクローゼの動きが見抜かれていたのだろう。場所と時間から、クローゼは瞬時に吉凶を占う。結果は吉。次は吉方位を割り出し、軍を率いてその方角から先制の攻撃を仕掛ける。ブロンクト公国軍は軍を分けて行動した。どの部隊から狙っていくか。瞬時に占いを立てて狙うべき部隊を選別していく。


ブロンクト公国

 どの部隊を狙われるかはクローゼの立てた占い次第だが、どれが選ばれてもよいよう手は打ってある。狙われたら即座に隊列を引いて半方位下に落とし込み、それぞれの部隊の特性を生かしてミロス王国軍を翻弄して、クローゼに的を絞らせない。


ミロス王国

 クローゼは占いを連発するが、ことごとくヨハンにかわされて打つ手がなくなってしまう。占いはある周期で一巡するものだから、短時間でこうも立て続けに占えば打つ手がなくなってしまうのだ。そこで切り札である○○(ファンタジーらしいもの)を投入して一気に戦況をひっくり返そうとする。しかし、ブロンクト公国軍は変幻自在に隊列を操って的を絞らせない。部隊運用ではブロンクト公国軍に分があるようだ。

 クローゼはこの戦い自体を再度占い直すと、攻勢あるのみとの卦が出た。だが、クローゼ自身の感性が「これ以上戦うべきではない」と告げていた。


ブロンクト公国

 占いの打ち止めを見届けたヨハンは、今こそミロス王国軍を打ち負かすチャンスと判断し、それぞれの部隊を有効に活用して変化自在の用兵で王国軍を圧倒していく。また、これまで敵の王国軍を殺すことなく失神させるにとどめていた。(指揮官クローゼから切り離された部隊には指示が届かず戦闘を継続できないため、失神させなくても無力化は可能)。そしてヨハンは王国軍を巧みに誘導して戦場を少しずつズラしていき、気を取り戻した(クローゼの指揮から切り離された)兵が合流することを極力防いだ。みるみるうちに戦える兵が削られていくさまを見て、クローゼは退却を決意した。

 しかし周囲はブロンクト公国軍に取り囲まれており、クローゼは敗北を認めた。



◆◆◆

 ここで物語を終えるか。以後和平まで含めるか。

◆◆◆



 いちおう和平と覇権交代までのあらすじは出来ています。

 でもこれは使わないほうがスッキリするかなと。

 エピローグとしてまとめてしまうほうがいいかな。


 以上のあらすじへ、いかに「ファンタジーらしさ」を加えていくのか。

 それ次第で細かな筋は変わっていくと思います。

 なにを盛り込もうかな?


 とりあえず占い派のミロス王国は魔法が主体でもいいかなと。

 ただ、かけられた魔法をブロンクト公国軍がどうやって鎮めていくのかを考えるとやや実戦向きじゃないかも?

 でも魔法の派手さは映像化したら映えるので、なんとか組み込みたいところ。

 絵面でいえばエルフやドラゴンもいたほうがいいですね。

 ドラゴンは同族とは戦わないという形にすれば、戦場に連れ出しても独自に行動しそうで面白くなりそう。


 極力「異世界ファンタジー」に振りたければ、エルフとドラゴンは外せないかな。ドワーフやダークエルフあたりも入れたほうが異世界感は強くなるけど、あまり種族が多くなると、分量が増えてしまう。ですので、10万字のノルマだとしても12万字くらいは書きたいところ。


 今コンテストページを見たところ、


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

【ドラゴンノベルス編集部からのお題②】

ファンタジー×マニアック、求む!

たとえば、こんな作品……

魔法と科学、合わせれば最高! SF×ファンタジー

魔法で謎解きしちゃう!? 魔法×ミステリー

ダンジョンなしでもいいんじゃない!? 現代ファンタジー

そんな、あなたの「好き」を詰め込んだファンタジー作品を読んでみたいです。

編集者が個人的に「マニアックでドストライクな作品」として例に挙がったのは……

「チート無双だけじゃない、強大な敵からの逃避行。そんな登場人物たちのドラマを堪能したい」

「独自の設定を持った作品。例えば魔法の呪文に特許がある世界の話が読んでみたい」

「やり直しジャンルは復讐や不幸回避を目的とすることが多いけど、壮大なやり直しコメディで爆笑したい」

などなど。

流行とは違えど一点突破できる強烈な個性を持った作品をお待ちしています。

△△△△△△△△△△△△


 とあるので、こちらを満たすのが難しい場合、お題(1)の女性主人公へ振るかもしれません。ただ『異世界孫子』がお題(1)をほぼ規定を満たすので、似たような作品を書く必要があるのだろうか?

 ということで、『占いvs兵法』をもう少し詰めてみて、「占い」と「魔法」がリンクした設定にして、それが標準化された世界で「兵法」で無双する、というあたりが書けたらよいですね。


 とりあえず、次のverまでにファンタジー要素を大きく取り込みつつ、「占い」と「魔法」が引き立つ筋書きにリライトして、そんな状況で「兵法」で突き進むヨハンの物語がよいかなと。だから「兵法」からいかに離れた「占い」と「魔法」の世界観を構築できるかが勝負を分けますね。

 もしこれができないとお題(2)は満たせなくなるので、一般応募になってしまいますからね。

 今日もまだまだ低血圧と心拍数少は続いているので、少し頭を休めたいと思います。

 まあお題(2)の方向性はわかってきたので、いかにマニアックにできるかですね。



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