第9話 『異世界ファンタジー×ハーレム』ver.0.2 第一章

「ハーレムを励磁れいじして最強の敵と戦う虹の勇者」


商家の養子 バートランド・ミルズ

幼馴染 タリッサ・ブルーム

姫騎士 ラナ・テッセル

聖女 クラウフォーゼ・マシューズ

魔女 スキルト・スチュワート

魔王 アルスター



第一章 (起)

 期末の魔法試験において、仮想迷宮を抜群の成績で攻略したパーティーがあった。

 商家の養子で、世界で唯一とされる複数の魔法適性を持つバートランド率いるそのパーティーは、彼以外の四名が女子で構成されている。

 同じく商家出身で幼馴染みのタリッサ・ブルーム。王女でありながらも非凡な剣才の持ち主ラナ・テッセル。幼少期から聖女として知られていたクラウフォーゼ・マシューズ。そして魔力が学生の中でもひときわ高いものの扱い方が雑でパーティーをたびたび窮地に追い込むスキルト・スチュワート。彼女らにバートランドを加えた五人パーティーは、これまで実地研修で大きな成果を挙げている。

 バートランドは複数の魔法適性があるだけでなく「兵法」にも長けており、クセのある四人の女子を効果的に用いて戦いを指揮する。「兵法」使いは基本的に後方で戦況を見守り、適宜指示を出すものだが、バートランドは自ら最前線に赴いて剣を振るって誰よりも多くの魔物を倒してきた。


01:

 幼馴染のタリッサ、姫騎士のラナとともに前線を張るバートランドは、後方に控えるクラウフォーゼとスキルトに支援魔法を要請する。

 クラウフォーゼは〈加速〉の魔法を唱えて前線三名がさらに高速で敵パーティーを撹乱していく。そこにスキルトが〈爆炎〉の魔法を唱えようとして火力が手にあまるほど強くなって今にも暴発しそうだった。

 心得たもので、バートランドはタリッサに声をかけてともに水の魔法を放って大きすぎる〈爆炎〉の魔法から巨大な蒸気が立ち上りつつ、余った炎が敵パーティーを襲った。

 敵パーティーも水の魔法で火力を減じようと試みるも、くぐり抜けた炎のダメージが通って倒れていく。

「勝負あり」と判定され、バートランドのパーティーが勝ち名乗りを受けた。

02:

 クラウフォーゼと敵の白の魔法使い、それにバートランドが「白の魔法」で敵パーティーの傷を癒やしていく。魔法はひとりにつき一色の魔法しか使えない。しかしバートランドは「虹の魔法」の持ち主とされ、学園では「未来の救世主」として特別扱いされていた。しかし、甘やかされているわけではなく、むしろバートランド自身は試練を求めている。

 本来ならそれぞれ一色の魔法しか習わないのだが、「虹の魔法」使いとして白、青、赤、緑の四蜀に精通しなければならないのだから、彼に与えられたカリキュラムは過密そのものだ。世界には魔族が用いる「黒の魔法」もあり、「虹の魔法」使いのバートランドは本来なら「黒の魔法」も修めなければならなかった。しかし、魔族の教師などおらず、教えることはできなかった。

03:

 姫騎士ラナは「黒の魔法」使いスキルトに魔力の制御をたしなめるが、それで習得できれば世話がない。「緑の魔法」を操るラナは、スキルトの火力を底上げする役割も担っている。しかし、スキルトがこうも暴発を繰り返すのであれば、とうぶん「魔力の合成」はお預けである。そこで「白の魔法」使いのクラウフォーゼに「緑の魔法」を強化して、前線で「緑の盾」を出現させて自身への攻撃を逸らすとともに、敵の動きを拘束して逃げ場をなくしていく。そして学園最高峰である剣技で対峙した者を圧倒していくのだ。

04:

 タリッサとともにスキルトの特訓に付き合うことにしたバートランド。彼なりの「赤の魔法」の扱い方をスキルトに教えていくが、感情が激しいだけにどうにも抑制するのが苦手なようだ。暴発しないギリギリの魔力を覚え込む訓練で、仮に暴発してもタリッサとバートランドの「青の魔法」で影響を最小限に抑えるのだ。しかし、なかなか成果は現れない。「赤の魔法」は「青の魔法」との相性は悪いものの、「緑の魔法」「白の魔法」とは相性がよく、「赤の魔法」の火力と熱量を底上げできる。つまり今のままでは手加減などできずに対戦相手を焼き尽くしてしまうおそれがあるのだ。

05:

 扱いに困ったバートランドが「赤の魔法」を教える導師に尋ねると、最大火力ばかり放つのではなく、〈たいまつ〉の魔法のように弱い魔力を長安定してく用いる練習を提案した。それはバートランドにとっても必要な試練だろうと判断して、スキルトとともに〈たいまつ〉の魔法の修行に入る。スキルトは弱火の調整が難しいようで、明かりが強まったり弱まったりで安定しない。それを見ていたバートランドもなかなか低出力で安定使用するのに苦労した。

06:

 スキルトとバートランドが修行しているところへやってきたタリッサ、ラナ、クラウフォーゼも、その場で魔法を低出力で安定使用する特訓を始めることとなった。とくにクラウフォーゼの白の魔法は、威力を細かく制御できればそれだけ多くの傷を癒せるので、パーティーの生命線とも言える。またタリッサは薄い水の膜を作り出し、敵の火炎攻撃や弓矢攻撃、毒ガス攻撃などを無力化するための修練を積む。ラナは草木を操って盾や変わり身を数多く生み出す修練だ。すべてはパーティー全体としての底上げを目的としている。

07:期末の魔法試験で優勝したパーティーには特別な任務を与えられ、それを達成すれば晴れて一人前の勇者パーティーとなっていつでも学園を卒業できるのだ。最大魔力では他を圧倒するものの、基礎である低出力は不得意なメンバーであることを改めて思い知らされた。このままでは実戦形式の戦いも長期戦に引きずり込まれるほどに振りは免れない。可能なかぎり早く低出力を長持ちさせる技術を手に入れなければならない。

08:

 最も近接戦闘で頼りになる姫騎士ラナがまずは低出力の安定使用をマスターした。さすが王女といえど騎士としての訓練を積んでいるだけのことはある。聖女クラウフォーゼも教団で下積みの基礎練習を経験しているので、低出力をマスターしていく。そこでバートランドに頼んで〈集中〉の魔法を低出力でかけ続けることにした。するとタリッサも安定して低出力を使えるようになった。スキルトは依然として出力が安定せず、またバートランド自身も白、青、赤、緑の魔法を個別に低出力で操らねばならず、その組み合わせでもそれぞれの魔法の出力を微調整するのに時間をかけていた。「虹の勇者」であっても一朝一夕で身につけば苦労はしない。スハルトとバートランドはそれぞれ自主練習にすることを約束した。




────────

 と、こんな感じで一章ずつ八話に落とし込んでいきます。

 この方法の利点は、分量がわかりやすいことですね。

 1話2200余字とし、6章立て全48話で10万余字です。

 この作り方も慣れてきたので、量産して行こうと思います。

 まずは1日1章のあらすじを決めていき、3月までには執筆を開始できれば、と考えております。

 このぶんなら「カクマラソン」に参加できるかな?



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