第73話 『異世界孫子』の命名について

『孫子の兵法』オタクの女子高校生が異世界転生!軍師に成り上がって大陸制覇を目指します!

https://kakuyomu.jp/works/16817139555324941861


 本作は、命名で困ってしまい、暫定的にある法則を用いています。

 作品を読んでいて気づいた方もいらっしゃると思いますが、種明かしを致しますね。



 まず主人公ですが「ラクタル」という名を思いつくまでにかなり時間がかかりました。ですが名前がないと書けないもので、とりあえず頭に浮かんだものから借りてくることにしました。


 では問題です。

「ラクタル」の元ネタはなんでしょうか。

 これ、わかったら凄いと思いますよ。


 答えは「フラクタル」です。フラクタルとは「幾何学的構造」のことで、一部が全体を表し、全体が一部を表しているという特殊な図形を指します。

 なぜ「フラクタル」が思い浮かんだのかは謎なのですが、ふと「フラクタル」が出てきて、でも「フラクタル」だとネタバレするし、名前にしては変だしということで、「ラクタル」だけを活かしました。

 とっても安直ですね。


 次はパイアル公爵について。

 これ、よくよく考えると「なんだあ」と思います。

 こちらは「パイアール二乗」から来ています。なんのことかって、中学生で習っているはずなんだけどなあ。

 円の面積の公式ですね。「円周率パイ(π) × 半径(r)の二乗」

 だからパイアルなわけです。「円周率は強い」ということで公爵にしました。

 ※円の面積も「2 × 円周率パイ(π) × 半径(r)」でしたね(^_^;)


 ではアンジェント侯爵、オサイン伯爵、アイネ子爵はというと、これはもっとわかりやすいはずです。ほとんど答えですからね。

 出し惜しみしてもしょうがないので。

 三角関数「タンジェント(tan)」「コサイン(cos)」「サイン(sin)」から来ています。


 ここまで決めてきて「帝国の名前を決めていなかった」となりました。

 ではどんな国名が良いのだろうか。

 で、ふと気づいたのが、ここまで決めたメンバー、数学じゃないかということ。

 数学と言えば「Mathematics」ですよね。「マセマティクス」でまた頭の一字を削り、最後の「ス」も省いたら「マセティク」になるという。


 ということで、ここまで数学で固めてきたので、名前が思いつかなかったら数学で付ける、ということにしました。



 では「コウロキ・テツカ」はなにかですよね。

 これは私がよくテレビを観ていて、中国問題に詳しい「興梠一郎」さんから取りました。「孫子」といえば中国、中国といえば興梠一郎。だから「コウロキ」です。

 では「テツカ」ですが実はこの物語、最初は男主人公にしようかなと思っていまして「鉄矢」にする予定でした。「武田鉄矢」さんは中国拳法「螳螂拳」を日本人師範から手ほどきを受けていて、『刑事物語』という映画で遺憾なく発揮しています。だから「中国」から「テツヤ」が出ました。

 でも執筆前に女主人公に変更したので、ちょっと変わって、だけど憶えやすい名前ということで「テツヤ」の字に近い「テツカ」にしました。



 後のキャラクターはだいたいひねり出せましたので、数学や中国にはとらわれずに決めたのでした。


 こうやってキャラクター名の所以を知ると、また読んでみたいなあ、と思いませんでしたか?

 ★付け忘れたなあ、なんて思いませんでしたか?


 こっそり付けてもいいんですよ(笑)


 ほとんど催眠術の誘導ですよね、これ。

 完結した今、もう一度お読みになってもじゅうぶん楽しめますよ。

 なにせ1話2000余字で全48話です。正味11万字弱ですのでさくっと読めます。

 再び、ラクタルに会いに行きませんか?


 別に続編を書くわけではないんですけどね(笑)


 気が向いたら、またラクタルの破天荒な活躍をご堪能いただけたらと存じます。



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