第72話 第2回角川武蔵野文学賞と〈メディアワークス文庫×3つのお題〉コンテスト

 ちょっと思うところがありまして。



 まず「武蔵野文学賞」について。


 選考された作品ってダイダラボッチが多い。

 なにもそこだけフィーチャーしなくても、と思わないでもないのだが。

 純粋に下調べをして見つけた題材なのか。

 誰かが投稿したのを見てダイダラボッチを知り、「わても書いたろ」と思ったのか。

 そのくらい妙にダイダラボッチが多い傾向。

 一般部門大賞、読者賞ともにダイダラボッチ。

 中間選考を突破したダイダラボッチ2作がそのままランクインした形か。

 しかもライトノベルのほうでも中間選考突破でダイダラボッチが多い。


 多摩育ちとしては、ダイダラボッチなんぞ聞いたこともないのだが(笑) 生まれは別なんですけどね。

 でもいちおうは武蔵野台地に住んでいるので、知らないはずがないと言いたいところですが、知りません(笑)

 これでどうやって皆ダイダラボッチに行き着いたのか不明なんですよね。


 ◇◇◇


 で、メディアワークス文庫×3つのお題コンテスト。


 こちらは「女性主人公×ファンタジー」で大賞が一本出た以外、「泣ける×青春」は特別賞止まりで書籍化なし、「ホラー×ミステリー」は大賞も特別賞もなし。

 メディアワークス文庫様が求めていたものと書き手が書きたいものとの乖離を見たような気がします。

 「女性主人公×ファンタジー」なんて指定範囲が広すぎて、なんでもありになってしまった感がある。ファンタジーは『カクヨム』の柱だから、応募総数自体も多かったはず。

 その点「ホラー×ミステリー」は普通に投稿されている作品数自体が少ないから、応募総数も少なかっただろうし、その少ない中から選ぼうにも箸にも棒にもかからないという作品が増えたと考えられますが。


 で、最も考えないといけないのが「泣ける×青春」です。


 これ「嬉し涙」なのか「悲し涙」なのかでも作品傾向が異なります。

 一時期流行った難病ものが欲しいのか、チームメンバーとの苦しい練習を経た勝利という部活動ものが欲しいのか。そこが漠然としていました。

 そもそも「青春」の定義が広すぎます。

 恋愛に懸ける青春もありますし、受験勉強に懸ける青春もあります。仕事に精を出す青春だってあるのです。「遊べる間に遊んどけ」な青春だってありますよね。

 ざっと挙げても4パターンできてしまいます。

 これで編集部が求める「青春」とは? と考えると、均等に応募されたとしても1/4になってしまいます。

 これに「嬉し涙」「悲し涙」「悔し涙」「安堵した涙」「怒りにこぼれる涙」とか考え出すときりがない。

 つまり範囲が広すぎるんですよ。

 作品傾向がバラけすぎて、手を出しづらいと思われた可能性が高いんですよね。


 せっかく「3つのお題」コンテストというのなら、「三題噺」つまり「お題を3つとる」ようにしたほうが、編集部が期待していたような作品が集まったのではなかろうか。

 お題1つは「KAC」でやっていましたけど、「三題噺」で募集するのも「あり」だったと個人的には思います。

 少なくとも「大賞なし」が二部門出るような結果にはならなかったはずです。


 こちらはちょっとメディアワークス文庫様の編集さんにご考慮いただきたい部分ですね。


 ◇◇◇


 ちなみに私はどちらにも作品を出していません。

 募集時期が、まだ私の小説執筆活動再開の前でしたから。

 まあ応募していたとしても、結果は伴っていなかったかなと思います。

 まだ中身をどうこうするレベルではないので。


 近作『異世界孫子』までの目標は「1日1万字」書けるようにすることでした。

 次のシリーズからは「描写と説明のバランスをとる」ようにします。

 まだ内容は求めていません。

 読み手としては内容を最も求めると思うのですが、内容は数を書いてから見出していくほうが地力が付きます。

 だから「数を書く」段階で内容をあれこれ考えこまず、書けるものを書いていき、反応が薄いものを省いていく。そうすると、反応のよいものがわかるようになってくる。


 なのでまだ「数を書く」段階と認識しています。

 私は天才でも秀才でもないので、愚鈍に「数を書く」ことで強みと弱みを見つけ出していけたらと考えています。

 いつかはホームランを打てればよいのです。

 しょせん小説投稿サイトは「草野球」です。

 書いた本人が満足するものを書かなければ、なんのために「草野球」をしているかわからないですからね。

 三振して悔しがる。ヒットを打ってテンションが上がる。

 これを繰り返すから「草野球」は面白いのです。


 だから最短距離で「書籍化」を目指すのなら、どこかの実業団に入ったほうがよい。セミプロになれ、ということです。

 小説投稿サイトで「書籍化」を目指すのなら、「草野球」同様楽しみながら実力をつけるのが一番です。そうしないと長く続けられませんからね。


 ということで、次は「描写と説明のバランスをとる」ことに主眼を置いて長編小説を書こうと思っています。

 ちなみに今まで10万字で書いていましたが、次からは12万字で書こうと思っています。

 簡単に言いますが、今まで一人称視点の描写に力点を置いていたので、そこに説明を加えると勝手に分量が増えてしまうはずなのです。

 だったら、これまでの10万字の物語で描けたものを12万字にし、増やした2万字を説明に割り振ればちょうどよいのです。

 ちょっと裏技っぽいですが、私にはこのくらい細かな調整をしたほうが書きやすいんです。


 小説賞やコンテストに狙いを定めて、12万字の長編小説を、描写と説明のバランスをとりながら書く。

 これが次の目標です。



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