第2話 獣戦士

 一美がローズ騎士団に入団して翌日、一美は宇宙船の中に招待された。

「最初に司令室に行こう」ゲインズは一美を司令室に案内した。

 司令室には中央に円形のテーブルがあり、その上に5つのコンピュータが置いてあった。奥には巨大なモニターがあった。

「ここで会議や本部からのやりとりをするんだ」

 次にゲインズは食堂に案内した。厨房の冷蔵庫の中にはたくさんの食材が貯蔵されていた。よく見ると、トマトやキャベツ、牛肉など地球人の食べ物と同じだった。

「地球人の食べ物を調べてみると、銀河系の食べ物と同じで驚いたよ。やはり同じ環境だとそうなるのかな」

「環境が同じって?」

「そう、銀河系には地球と同じ大きさ、同じ環境の星が大量にあるんだ。もちろん惑星ドラゴもその一つさ」

 次にゲインズは講義室に案内した。

 講義室には白い部屋に教壇と25の白い机が並んでいた。一美は最前列の真ん中の席に座った。

ゲインズは教壇に立ち、ホワイトボードに映像を投影する。ホワイトボードに『獣戦士』の文字が映し出される。ゲインズはメモ用の紙を挟んだバインダーと筆記用具、資料を机の上に置き説明した。

「まずは『獣戦士』について教えるよ。別名『ビーストウォーリアー』。『獣戦士』とは、戦闘形態ファイティングフォームになれる戦士のことを指すんだ。火、水、電気、風、レーザービームなどの自然現象を再現できたり、高速で移動したり空を自由に飛ぶことができるんだ。なる方法として、改造手術、脳への電気刺激、ナノマシンの3つ。この3つのいずれか1つをすれば誰でも獣戦士になれるんだ。一美ちゃんは脳への特殊な電気刺激、僕たちは改造手術でなったんだ。獣戦士の改造手術の成功率はほぼ100%と異常に高いよ」

「じゃあこの指輪は」

「この指輪はAエースリングと言って人間を獣戦士に変える機械なんだ」

「不思議な力ってそうだったんだ」そう言うと一美はメモ用紙にメモした。

「一般人に戻るには手術して、戦闘形態を封印するんだ。戦士を引退するときはそうするんだ」

 ゲインズは戦闘形態になって自分の目を指さし説明した。

「よく見て。目玉が特殊な膜に包まれているため、目の色が一色になって、瞳がないように見えるんだ」

 次にゲインズは戦闘訓練室に案内した。戦闘訓練室は明るく白い部屋で、奥には25mプールがあった。隣の視察室とは強化アクリル板で仕切られていた。

「広-い」一美は思わず口に出してしまった。

「これから獣戦士のアームズについて教えるよ。はじめに獣戦士の技をアームズと呼ぶんだ。アームズには火炎系、水流系、電気系、風系、光線系、強化系などがあるんだ。またペイジ級、エクスワイア級、ナイト級というのがあって、獣戦士になったばかりのころがペイジ級、それが修行して強くなったのがエクスワイア級、それがさらに修行して強くなったのがナイト級なんだ」

「そんなにあるんだ」一美はアームズの説明をメモした。

「まず火炎系の説明から行くよ。火炎系は体内で作られた可燃物質や脂肪を燃料として放つんだ。体のいたるところから可燃物質や脂肪分をスプレー状にしたものを発火させて放つんだ。発火装置は体内で作り出された熱、電気熱、摩擦熱があるんだ」

 一美は火炎系の説明をメモした。

「次に水流系の説明するよ。水流系は体液や火炎系で作られる可燃物、周りの水分を材料に体内で水を生成して放つんだ。また、液体を使ったものはこれに含まれるんだ」

 一美は水流系の説明をメモした。

「次に電気系は発電細胞を使って電気を作り出すんだ。磁力もこれに含まれるよ」

 一美は電気系の説明をメモした。

「次に風系は風を操ること。風は空気の運動なので音を使った攻撃もこれに含まれるよ」

 一美は風系の説明をメモした。

「次に光線系はレーザー光線やホログラムなど、光を使った攻撃がこれにあたるんだ。レーザー光線といっても大半の光線系アームズの発射スピードは秒速1020m=時速3672kmなんだけどね」

 一美は光線系の説明をメモした。

「最後に強化系はパンチやキックなど身体能力を強化するアームズなんだ」

 一美は強化系の説明をメモした。

「次に基本アームズについて説明するよ。基本アームズは獣戦士なら誰でも使えるアームズなんだ。基本的に体のいたるところから一か所放てるアームズなんだ」

 一美は基本アームズの説明をメモした。

「まずはファイアバレットから。ファイアバレットは火を放つアームズ。ペイジ級では最大温度は1400度、これがエクスワイア級になると最大温度は2000度なんだ」

 そう説明するとゲインズはCDケースほどの大きさの鉄板を出してきた。ゲインズは戦闘形態になり鉄板にファイアバレットを浴びせる。鉄板はドロドロに溶けてしまった。

「ちなみに鉄は1536度で溶けるよ」

 一美はファイアバレットの説明をメモした。

「次にウォーターバレット。ウォーターバレットは水を放つアームズ。速くなるほど水の直径は細くなる。ペイジ級では最大秒速56m=時速201.6km、これがエクスワイア級になると最大秒速1020m=時速3672kmなんだ」

 そう説明すると、ゲインズはコンクリートブロックを出してきた。ゲインズはコンクリートブロックにウォーターバレットを浴びせる。コンクリートブロックは真っ二つに切断されてしまった。

 一美はウォーターバレットの説明をメモした。

「次はエレクトリックバレットは電撃を放つアームズ。ペイジ級では最大電圧500V。エクスワイア級になると250万V、放った電気は5mも飛ぶよ。ちなみにエレクトリックバレットの通り道は最大で秒速1020mで飛び、通り道ができると一瞬で電流が流れるんだ。エレクトリックバレットをかわすには通り道をかわすこと。あと、エレクトリックバレットは水中ではペイジ級エクスワイア級関係なく威力が下がり、最大で500Vになるんだ」

 一美はエレクトリックバレットの説明をメモした。

「次はウインドバレットはペイジ級では最大風速15m。エクスワイア級では最大風速20mだよ」

 一美はウインドバレットの説明をメモした。

「次はライトバレットは体から直径1mmの攻撃用レーザーを放つアームズ。ペイジ級では最大出力5kW。エクスワイア級では最大出力40kWなんだ」

そう説明するとゲインズは厚さ1cm横の長さ8mの鉄板を出してきた。ゲインズは鉄板に向かってライトバレットを放つ。すると鉄板は1分で長横に切断された。

 一美はライトバレットの説明をメモした。

「次ににホログラムヴィジョンについて説明するよ。ホログラムヴィジョンは自分が映したいものを自分の意志で映像として映し出すことができるんだ」

 ゲインズはホログラムヴィジョンを発動し、空中に映像を投影する。そこには赤いウェディングドレスを着た一美が写っていた。

 一美はホログラムヴィジョンの説明をメモした。

「次に高速移動について説明するよ。獣戦士になると通常の30倍のスピードで走ったり、空を飛んだりできるんだ。それに伴って、反射神経や思考速度が300倍になるんだ。なので回りがゆっくり見えるんだ。もちろん急に停止できるんだ。獣戦士が高速で移動すると、一般人には目視できず一瞬で消えたかのように映るよ」

 一美は高速移動の説明をメモした。

「獣戦士はアームズの反動の大半を吸収し、自分のエナジー、日本語で言うエネルギーにすることができるんだ。ただし、アームズの反動が大きすぎて吸収しきれないものもあるよ」

 一美は反動についての説明をメモした。

「獣戦士のアームズは自分の意志でオン、オフ、ハイ、ロウが簡単にできるからね。今日はここでおしまい。わからなかったらこのノートを見て」

 ゲインズは一冊のノートを渡した。

「これは」

 戦闘のコツなど基本的なことがまとめてあるノートだった。

「このノートを見てもわからなかったらいつでも聞いてよ。誰でもエクスワイア級まで使いこなすことができるからさ」

「はい」

 一美の戦闘の訓練が始まったのであった。

 


 







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