第384話 到着
なんだかんだと凄い量となってしまった。
「ちょっと欲張りすぎたな」
いや、ちょっとじゃないか。かなり欲張りすぎました。キャンプ地に戻ってきたら十八時を過ぎてました。
「やっと帰ってきたか」
アルズライズも呆れている。うん。遅くなってごめんなさい。
すぐに夕飯を運んできて、アルズライズには早めに休んでもらい、ビシャとメビに見張りを頼んでオレはホームに入った。回収したものの整理をするために。
「せっかく片付いたのにまたいっぱいね」
ハイ、ごめんなさい。調子に乗りました。
「でも、この肌着、とってもよさそうよ」
ミリエルがビニール(的なヤツ)を破り、インナーシャツに頬擦りしている。
「男物はヨシュアたちに。女物はエルフたちに渡してくれ。バスタオルは館に仕舞っておくか。使うなら自分たちの分は確保しておけよ」
オレも三十着くらい確保した。動きが激しいのか、下着の交換率が激しいんだよな。汚れが酷いときは捨ててるし。あ、別にチビッているわけじゃないからね。勘違いしないように。
「それでも余りそうよ。これじゃパイオニアの出し入れも大変じゃない。EARやラットスタットでガレージの二階に上がれてないわ。そろそろ触らないと消えちゃうわよ」
「そうだな。さすがに拡張しないとダメだな」
リミット様に一千万円を渡したから拡張を迷っていたが、これは早々に拡張しておかないとダメっぽいな……。
「よし。七十パーオフ使ってガレージを拡張するか」
まずは一階を三百万円+七十パーオフを使って約四十畳を拡張した。
ただ拡張だけしたのでパイオニア四台は収められる広さは確保できた。
「カインゼルさんやサイルスさんたちにがんばってもらわないとな」
二千万円まで貯めたのにいっきに七百万円弱になるとかちょっとショックだよな。カインゼルさんたちにがんばってもらって一千万円を稼いでもらわないと。
コンテナボックスを新たに拡張した空間に移し、ガレージ二階のコンテナボックスも運び入れたら二十二時を回っていた。
「あとは頼む。オレは外にいくから」
ビシャとメビを休ませなくちゃならない時間だ。残りは三人に任せるとしよう。
シャワーを浴び、軽く食べたら外に出た。
持ち出したマットレスにビシャとメビを寝かせたら近くにあったベンチを引っ張ってきて座り、プランデットをかけて見張りをした。
夜中にアルズライズと交代。朝の六時まで眠らせてもらった。
起きたらビシャとメビは起きており、アルズライズはベンチに横になって眠っていた。
二人に任せてホームから朝飯を運んでくる。その匂いに釣られてアルズライズが起きてきた。
「今日中に目的地までいく。しっかり食っておけ。出発は八時半にする」
そこになにがあるかわからない。万が一のときのために体調は完璧にしておかないとな。
朝飯を食ったら片付けをし、時間までコーヒーや紅茶を飲んで過ごし、時間になったら昨日と同じ布陣て階段を昇った。
途中、ロックされてない扉はあったが、少し確認しただけで探索はせず、上を目指した。
十二時までもう少しと言うところで昼食タイム。一時間たっぷり休んだらダボール7とバレットを取り寄せた。
「敵?」
「いや、念のためだ。ここからはオレが先頭。アルズライズ、ビシャ、最後尾はメビだ。いつでも逃げられるようにしておけ」
動体反応はない。音も熱もない。動力がないから防犯装置も死んでいる。でも、なにかあるかわからないのだから油断するな、だ。
警戒しながら非常階段を昇り、目的地の階に到着。扉はロックされており、なんか他より厳重っぽく、扉に機器がついてあり、デジタルロックされてるみたいだ。
「ビシャ。ヒートソードだ」
厳重ではあるが、二千度に勝てるほどではない。十分も当ててれば変形してきたので、蹴り飛ばしたら開いてくれた。
中は暗いが、プランデットで見れば問題はない。そこは通路で、見える範囲に扉はない。リミット様の情報で右方向だな。
マルチシールドを展開しながら通路に出る。
ダボール7を構えたまま様子を見るが反応はなし。少し先を進んだらアルズライズ、ビシャ、メビを通路に出させた。
「進むぞ。メビ、後方を頼むぞ」
「任せて」
マルチシールドを展開しままま通路を進むと、エレベーターホールに出た。
「……かなり激しい戦いがあったみたいだな……」
ターミネーター同士の戦いがあったみたいに壁や天井、床が酷いことになっており、ミサイルでも放たれたのか煤まみれになっていた。
「なにと戦ったんだ?」
「カラクリ仕掛けのゴーレムだな。昔のエルフは人口減少を補うためにゴーレムを造ったが、心を持ってしまいエルフたちに反抗したそうだ」
人工知能の反乱とかなんのSFかと思うよ。
「もう動いていないから安心しろ。ただ、なにか住み着いていても不思議じゃないから注意しろよ」
爆発で穴が開いており、空を飛ぶ魔物が侵入しているとも限らない。虫とかだったら嫌だな~。オレ、蝶々、大っ嫌いなんだよね。ニョロニョロなときは平気なんだけどさ。
瓦礫を押し退け奥に進むと、ガレージのような場所に出た。
「……飛行艇の発着場か……」
爆発した感じの飛行艇やコクピット辺りがなくなった飛行艇があった。
「これがお宝?」
「いや、お宝はあっちだ」
奥にシャッターがあり、そこがリミット様が教えてくれた場所だ。
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