第85話 海中戦開始
潜水して分かったが海の中ってかなり綺麗だな。というか、他の奴等はゴーグルとか付けてる。コクヨウはなんか眼球の周りに膜がある。海水って染みるからなそういうのは付けておきたいところ。俺はあんまり関係ないけど。
お、早速、小魚が来た。いよっと。うーん、大剣は海中じゃ少し役に立たないかもな。
ナイフで行こう。海中を突き進んで自身の回転も加えて切りつける。うん、いける。大剣よりスマートに行けるし、こっちの方が良いかもな。
コクヨウは、爪で尾ヒレや首を狙って切りつけ、動けなくした所を他の冒険者が狩ってるのか後始末しなくていいのか? 血で魔物がすごい寄ってきそうだけど。
❖ ❖ ❖
数十分、途中何回か他の冒険者が息継ぎを挟みつつ、何回かやってくる魔物の群れを迎撃していく。今の所、見える範囲の取りこぼしはない。血で周りが汚れても俺が魔法で何とか海流を作って、包囲網の外へやっているので視界の確保は出来ている。
不眠不休で働いてもいいんだが、魔力量的に少し回復を挟みたい。コクヨウに戻る為の合図を送って、括りつけられた鉄縄を決まったリズムで引いていく。
すると、とんでもない勢いで引っ張られて甲板に叩きつけられる。コクヨウも同じ様に引っ張られて俺に叩きつけられる。
「ビックリした」
「同じく」
幸い、どっちにもたいしたダメージはない。けど、ワカバ、かなり乱暴なのではないか? まぁ、緊急事態だったらって考えるとコレでもいいかもね。
「お疲れ様です。コレを」
魔力補給用の回復薬か。有難い。サザナミから作られてるんだよな、これ。ふむ、美少女から採取した液体。売れるな。売る気はないけど。
「くだらないこと考えてないで休んでてください」
「あい」「はい」
同じ事をコクヨウも考えていたらしい。怒られてしまった。
「端っこの方で休んでいようぜ」
「はい」
俺は疲労を感じないけど、コクヨウは疲れてそうだな。………数十分くらい水中での戦闘は疲れるか。ただ、泳ぐだけでも結構疲れるしな。
そこから一時間、魔物の群れが来るまで休憩させてもらった。
「群れが来るぞー!!」
この掛け声と共に俺とコクヨウはまた、海に飛び込んだ。そんな事を数回繰り返す。すると、魔物の量が急に減り始めるそして俺達はまた甲板に叩きつけられる。衝撃は無視して何故つられたのかをワカバに尋ねる。
「どうした?」
「他の船から魔物達が迷宮内へ戻っていっているとの通信があったそうですここで大きめの休憩を取ります。大物の出現もあり得るのでそこら辺は気に留めておいてください」
ワカバはそれだけ言い残すと何処かへ行ってしまった。見張りに戻ったんだろう。取り合えずコクヨウを天日干しさせるか。風邪ひくかもしれないし。
「すーっ、すーっ」
多分狸寝入りだが、日が当たる所は気持ち良さそう。俺も眠くなってくる。寝る事はないけど。けど、ううん。なんか眠く、なってくる。
“ご主人様、進化条件を達成しました。進化先を早急に選択してください”
目の前に進化先一覧が出て来た。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
・ヒューマ・アンデット
完全な人間態を獲得した魔物のアンデット系列の種族。一目では人間と見抜くことは出来ない。アンデットではあるが完全な生を獲得した。基本的な性能は人間な身しかないが再生能力各種状態異常耐性は普通のアンデットよりも向上する。
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・
屍兵士よりも体の変形能力は上がるが、身体能力は低下する進化先である。魔法の練度、魔力の親和性、知力に対して補正がかかる、魔法戦闘に適した進化先である。まだ、仮初の命が進化して魂に影響が出る事がある。進■■た■合、ク■■■ト段■が一段上がる。
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・
屍兵士よりも体の変形能力は上がり、身体能力も格段に向上する進化先である。武器術の練度も大幅に上昇し、近接戦闘に最も適した進化先。仮初の命だが進化すると完全な生に近づく。進■■た■合、ク■■■ト段■が一段上がる。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
・?????
何かわからない肉の塊、意思とは周りの物を吸収し続けて肥大化していく、討伐方法は燃やして処分する。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
この中だと屍隊長だな。それで頼む。
“畏まりました。お休みなさいませ”
ああ、眠くなってきた。おやすみなさい。
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