第84話 海へと飛び込む

 目的の沖合に到着した。

 帝国海軍の船には突入組の冒険者がいるらしい。うーん、軍服来ている人間の他に甲板に冒険者っぽい、ガタイの良いのが数人、スタイリッシュなのも数人。衣装が違うのが冒険者だな。防水性の高いスーツを支給されたようで、今はそれを装着している所だ。潜水用の魔道具も筒に赤い宝石が着いたあれの事を言うのかもしれない。


「俺達も水中へ行くのか?」

「水中で動ける冒険者の数は少ねぇが、お前らは出来んのか?」

「まぁ、難しくはないな」

「ならいいけどよ。海流が強いからな支給された鉄縄を付けて置けよ」

「貸し出されてるんですね」

「あっちにな。潜水に自身がある奴等はあっちにいるぞ」


 貸し出しをしている兵士に言って鉄縄とやらを貸してもらう。潜るのは俺とコクヨウだな。ワカバには船に乗って俺達を引っ張ってもらおう。


「私は救出係って事ですね」

「私はエラ呼吸ができるから水中ですね。で、貴方は酸欠の心配がないから水中と」

「うん、ワカバは怪力だしね。ピッタリだよね」

「……ふん!」

「ぐふっ」


 殴られた。口は災いの元だな。


❖  ❖  ❖


「集合!!」


 この船の纏め役から集合がかかった。


「これより制圧戦を開始する。命に関しては自己責任だ。大物に関しては砲撃による支援は行うがここら辺は小型や中型が多いと予想されるから基本的には潜水による殲滅戦を行う。説明は以上だ。諸君らの健闘を祈る!!」


 突入組全員が縄と鉄縄を付けて、海に飛び込んでいく。さぁ、殲滅戦の始まりだ。

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