第83話 出航

 帝国海軍を待つこと一か月ほど。その間は生活費を稼ぐために海中に潜って出て来る魔物を狩っていった。

 やっとこさ来た海軍の軍艦はパドルシップだった。領主の持っている海軍は装備こそ立派だったが帆船だったので帝国が保有する海軍もそんなもんかと思ったがかなり豪勢なモノが出て来た。


「おっきいね」

「壮観だね」

「大砲がいっぱいあるな」


 軍艦は全五隻。二隻は待ちの護衛に残り、領主軍と残りは対象海域を巡回し、突入組の冒険者と雑魚狩りに加わるとの事。


「呼んでますよー!」

「「「「はーい」」」」


 ワカバが集合がかかって事を知らせに来たので、呼ばれたところについていく。集合場所の広場には偉そうな人が周りを威圧するように睥睨していた。冒険者達も集まり始めている。目を付けられても嫌なので、早めに集まっておく。

 お昼の鐘が鳴った所で動員される冒険者が全員集まった。ノンナとかは俺の傍に寄せて置く。無駄に因縁を付けられるのを防ぐためだ。


「これより、特別討伐作戦の説明を始める!」


 簡単に説明されたが、おおむね事前に説明されていた通りだった。俺達は沖合に出る方の船に乗るとの事なので海戦準備をしてきた甲斐はあったようだ。が、装備は貸し出してくれるらしい。金属製の縄をフックに繋げてそれを投げつけるらしい。よく作ったよなこれ。


「私たちは領主軍の二番船に乗るみたいだよ」

「じゃあ、行くか。サザナミ、ノンナ、こっちは頼むぞ」

「はい!」


 サザナミとノンナはここでお留守番だ。補給班として動いてもらうことになる。

 俺達は帆船に乗り込んでいく。


「出航だー!」


 船は出航し、戦いが始まる。

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