第79話 水泳試験

 今日は冒険者ギルドに来てみた。昨日は豪遊したしな暫くは稼がないといけない。

 港街なので商船の護衛依頼なんかが多いな。遠出する予定はねぇしな。どうした物か。


「これいいんじゃない?」


 コクヨウが漁の手伝いと森での採取の依頼を持ってきた。そう言えば、考えていなかったことがある。こいつ等って泳げるのか?


「お前ら泳げんのか?」

「………」

「………」

「………」

「………さぁ?」


 そういや、水泳する機会が無かったもんな。森の採取はともかく、漁の手伝いなら泳げた方が良いだろうな。


「確認するか」


 という訳で、歩いて十数分の所にある地元の人達が泳ぎを練習する為に作った場所に到着。この街は貿易や漁業が主産業なのでこうして水泳できる場所は領主によって用意されている。監視員もいて安全面も考慮されている。


「じゃっ、やっていこう」

「あいよー」

「………貴方は泳げるんです?」

「分からん」


 前世は泳げたが今の身体は前とは違うからな。まぁ、何とかなるだろう、という事で貸し出されている水泳着に着替える。

 貸し出された水泳着は、前世で言う所のウェットスーツのようだ。ぴっちりしている。四人娘もピッチリしてる。


「じゃあ、やっていこう」


 取りあえず、水の中に入り前世と同じ様に動く。

 うん、動ける。何年もやって無くても動けるよね自転車とか水泳って。


「おー、水死体だね」

「間違って、無いのか?」

「まぁ、合ってる」

「おめぇらも確認しろ」

「あい~」


 前世は全員泳げたみたいだが、どうなるか。


「おー、早いです」

「うん、動きやすい」

「小さいから疲れる」

「なんか溶けてく感じが」


 サザナミとノンナが危ない!! 取りあえず彼女とノンナを引き上げる。ノンナは体格が小さいからな子供に遊泳はマズかったかな? 体力は付いてると思ったんだが。


「泳げないみたいだね」

「そうっぽい」

「私は体格的に難しそう」


 まぁ、六歳だもんな。若干だけど、このプールは水流があるから、しょうがない。体格が小さいこの子じゃ流れにもまれちゃうよな。


「他はイイ感じか」

「行けそう」

「私も行けそうです」

「漁師の手伝いは俺とサザナミとワカバかな?」

「じゃ、私とノンナで森の採取依頼ですね」


 依頼の役割が決まった。じゃっ、頑張っていこう。

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