第5話−−−−−−化物と秘密(1)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2階廊下−−−−−−−−−−−ーー−−


時間はとうに11時。見回りの人も見回りを終えてもうとっくに帰っている時間だ。俺たちが見つからなかったのが、不思議なくらいだ。そして、当然俺たち以外誰ひとりとしていない。ので床と中靴のゴムの摩擦音が廊下中に静かに響き渡る。


森「特に目立ったものもないな〜」


亮子「先輩、帰りましょ。さっきから悪寒が収まらないんです。」


かれん「大丈夫だって!私がついてるじゃん!」


亮子「そうだけど、でも、」


飛鳥「どうだかねー。」


いくらか会話を重ねていた時、俺は教室の何か、赤黒い、ものが見えた。


森「ん?なんだあれ?」

かれん「あ、先輩。何かありましたよ。」



俺は、その教室の中を見ようとすると、それを遮るようにかれんが腕を引っ張りそしてかれんは、亮子に呼びかけ、背中を押してもらうよう頼み、二人がかりで運ばれた。それは2階の一番奥の『科学研究室』。ここにいる皆は文系なので、ほとんど使ったり、来たことはなかったが、かれんはここで何かを見つけたらしい。


森「なんだ?見つけたのって?」


かれんが俺を引っ張るように、亮子や飛鳥もそれについて行く。


かれん「こっちです。こっち。」


森「一体なんd」

亮子&森「、、、、」

飛鳥「うッ、、、うおぇ」


俺たちが見たのは、血が床、壁そして、実験机のところどころに血がついていて、その机の上に血付き包丁が置かれていた。


森「おい、かれん」


そこにはかれんの姿は、なかった。さすがに一人で行動しすぎだ。


飛鳥「やっぱりな」


亮子「やっぱりって、なんですか?」


森「かれんが怪しすぎるって事だよ。そうでしょ」


飛鳥はこちらを向いて、頷いた。飛鳥はここまでのかれんの行動とその考察を亮子に話していた。俺はその話を横目で聞いていた。


飛鳥「登がかれんについて行ったのは、何らかの理由で誘われた。と考えるのが妥当だろうさ。」


亮子「え?誘われたってどういうこと?」


飛鳥「亮子、お前知らないのか。登はかれんに苦手意識、持ってたんだよ。おかしいと思わなかったのか?

亮子や他の子の前だと敬語口調だけど仲良く話しているのに、かれんの前だとたどたどしく、不安げな顔で喋ってる姿を、」


亮子「あ、そういや、」



          一週間前




亮子「(ふんふふ~♪、ん?なんだ。)」



かれん「(登、今日一緒に帰らない?家近いし。)」


登「(い、いえ、あの、今日は、一人で帰るので)」


かれん「(そんな事言わないでよ~)」


登「(や、やっぱり僕、、すみません!失礼します。)」



亮子「そんな事を言っていたような、、」


飛鳥「なるほどなー。なぁ、そこにいるんだろ?」


飛鳥がそう言うと、机にあった包丁を教室の扉の、ど真ん中めがけて投げて、見事命中!その扉の外から中まで「寒い」と感じるくらいの寒気がした。





























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