第3話  怪物と逃げ(1)

こうして5人組は、深夜の学校の探索を始めるのであった、、、



午後9時  学校正門前


その頃彼らは、自分たちの学校の都市伝説の真偽を確かめるべく、集まっていたのだ。


森「いやー、到着到着っと。」


登「遅いですよ、先輩。」


森「お、早いな。二人とも、なんでそんなにはやく?」


登に亮子の方を見るよう促されたので、パッと見ると、正門前で「ふんす、ふんす」という亮子の、鼻息の荒い姿がそこにあったのだ。


森「あー、なるほどね。」


亮子が、楽しみにしていたことは分かったのだが理由を訪ねると、亮子は、今日が待ち通しいあまり、登を連れて8時に着いたという。


かれん「すいません(汗)!遅れました!」


かれんは、いかにも息切れしているような様子で学校に着いた。


森「(あれ、かれんって家近いんじゃなかったか?)」


それもそのはず。かれんは徒歩10分で学校に着ける程近い、と彼女が明言していた。なのに、肩で呼吸を行っている所を見ると、怪しく感じる。それよりもっと不可解なのは、かれんが学校の中からやってきたことだ。


森「かれん、どうして学校の中から?」


かれん「あ、アハハ、あの、窓を開けに行っていました、多目的教室の、」


森「あ、ああ、ありがとうな!」

 「(やっぱり気になる、、)」


俺が一人で俯いてかれんについて、の考えに浸っていると、肩を引っ張られたのでふと振り返ると、


飛鳥「おい、おい剣助。行くぞ!お前の楽しみにしていた探索だろ。」


飛鳥が立っていた。あきれている顔で。俺は、一種の心地良さに包まれたのだ。考えにふけっていた俺は、現実に戻り5人で学校を探索することにした。





  午後9時30分  第二多目的教室内


5人揃ってぞろぞろと窓から、音がしないように、と侵入する。ひとりひとりが入る時、学校の床に外靴で立てる音がはっきりと聞こえる程だった。


森「よし、全員いるな。それじゃあ、探検だ!」


飛鳥「静かにな。先輩(笑」


かれん「ほらほら、二人とも。行きますよ」


かれんに背中を押されながら、俺と飛鳥は多目的教室を後にした。



     学校 一階廊下


俺を先頭、かれんが殿で、真ん中の三人は自由に順番を入れ替えながら、移動していた。


かれん「いっいタタタ、」


森「おい、どうした?」


かれん「ちょっと、お腹痛くて。トイレ行ってきます。」


森「お、おい!かれん?」


かれんは、何も聞かずに、三階、に上がって行った。


登「相川先輩!」


登もかれんについて行くようにして、三階に向かった、誘われているように。


亮子「登!ちょっと待って!」





   



















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