8・証拠集め
「修助、それは?」
「小型カメラ。映像を記録するのに使うんだ」
和奈は修助が握っている小型カメラを見て、不思議そうな顔をする。物としてはあまり活躍して欲しくないのが法治国家としての願いなのだが、時として必要になる事もある。それが今だ。
「このカメラを、連中がタバコをポイ捨てした辺りに仕掛ける。奴らアホだから、この温室や花壇のどこかで一服つけるだろ。それを抑えるんだ」
「残念だけど、そうコトは上手く運ばないぞ。修助」
カメラの用途の説明を遮るように、一は首を横に振る。
(まぁ、一の言いたい事は解る。何せタバコ問題は揺りかごのあらゆる手段を使っても解決出来なかった一件だ。警察は口頭注意で終わりだし、吸い殻から採取した唾液から容疑者を割り出してもシラを切ってだんまり。証拠映像も、最新技術を駆使すればいくらでも加工できるから冤罪だと歩実に実演させられた。歩実の奴、引きこもりの兄がコンプレックスな癖に、その兄が動画制作で飯食ってるの知ってて、恫喝してそのノウハウを学んだんだ。多分兄の前歯は三本ぐらい折ってる。潮賀 歩実っていうのはそう言う女なんだ)
修助は原作や設定資料集の記憶を手繰り寄せて、エリートの裏に隠れたクズっぷりを思い出す。一が苦虫を噛むような表情で修助の提案を否定するのも、かなりの抵抗が有ったに違いない。
そこで修助はそのカメラを一度ポケットに入れて、代案を出す。
「んなこたぁ解ってる。クズ共の事だ、最終的に俺達告発者を恫喝して黙らせる魂胆だろ。学校だって評判に傷つけたくはないだろうから、あまり表沙汰にはしたくない。だからまともに取り合う訳も無い」
「そんな……」
瞳は涙を浮かべ、悔しさから手にした吸い殻を握りつぶす。
こんな酷い事をした奴に対して、この吸い殻と同じように握りつぶしたいという思いが、震える拳となって皆に伝わっていく。
その思いを最初に感じ取ったのは、実直で曲がった事が大嫌いな和奈だった。
「では、どうすれば良いのだ? そんな逃げてばかりの相手に、正々堂々という手段が通じないので有れば、どのような手段がある。まさか我々も、このような卑劣な手を使うのではないだろうな?」
「卑劣ではないが、ヤりすぎに感じる手はある。何、医者や弁護士にちょっと協力して貰うのさ。吸ってないって潔白を証明できるなら、肺のレントゲンぐらい堂々と撮っても問題ないよな? って詰めるんだ。まさか健康診断でもないのに、いきなり肺のレントゲンを撮るなんて思わないよな? 俺もそう思ってる。だがそれだけだと今度は親がタバコを吸ってて、その煙を毎日吸ってるってシラを切るだろう。そうしたら今度は歯科医に協力して貰う。他人が吸った煙は鼻から吸うものだが、喫煙は口から吸うもの。ヤニが歯にこびりついて、よほど拘った歯磨き粉や正しいブラッシングをしないと落ちないし、そもそもあんな不真面目な連中が美容の為に丁寧に歯を磨いたり、ましてや歯医者へ行ってホワイトニングのようなケアを行ってるのも考えにくい。日本人の殆どは、歯医者なんてのは虫歯になってからかかるものって考えているからな」
そこまで言って、修助は何か異論は? とその場の皆に問う。あまりにも具体的な内容な為、皆黙ってしまったのだ。
「一、確か揺りかごにはお抱えの医者や弁護士がわんさか居るよな? 弁護士は絶対に若くて鋭くズバズバ切り込んでく奴を。医者は検査が出来る程度の老人でもいいや。歯科医師も、かかりつけでいい。もっと決定的な証拠が必要なんだ。動画編集したとか、音声加工したとか、そんな言いがかりが付けられないほどの証拠がな」
「はぁ……。修助、お前ずいぶんと揺りかごについて詳しいんだな」
「逆に俺からすれば、何でも有りな揺りかごに居ながら、今までそうしなかったのか疑問に思うよ」
「解った。弁護士や医者の手配程度なら、双葉の力を借りなくても出来る。修助はきっかけを作ってくれ。そのポケットにしまったカメラで」
「ああ。もちろん。二人であのクズ共をやっつけようぜ」
言うと修助は拳を掲げ、何をするのか察した一はその拳を自分の拳で軽くぶつけた。
こうして修助は社会人として経験した事を少しずつ思い返しながら、気に入らない生徒を学校から追い出す為の準備を進めていくことになった。
「あの、修助先輩。植物達の為に、ここまで親身になっていただいて、有り難うございます」
「まだ礼を言うのは早いけど。まぁ素直に受け取っておくよ。俺にとっても、この温室や花壇が灰皿にされるのは、たまったもんじゃないからな」
言って修助は瞳に一言断りを入れると、彼女から吸い殻が発見された場所を教えて貰い、その周囲にカメラを仕掛け始めた。
この証拠映像だけでは、歩実によって映像加工されてると否定されるし、何より未成年喫煙に具体的な罰則が無い以上、バレた所で歩実の下っ端連中は停学三ヶ月程度で済んでしまう。彼女らを退学へ追い込むには、もっと徹底的に、それこそ学生では出来ないほどの行動を起こす必要がある。
あらゆる困難に直面し、最終的に心を壊してしまい、社会の汚い部分を見て弁護士の使い方を覚えた修助は、学生でありながら、皮肉にも前世の経験によってそれらの行動を起こせてしまうほどの知恵があった。
今回はカメラを仕掛けるだけに留め、人材については一に任せてその日は解散する流れとなった。心療内科へ向かう時間が近づいていた修助は、瞳に必ず植物達を幸せにすると約束すると、彼女と沙美の二人に背中を向けて歩き出した。
・・・
「そうですか。学校に問題児……。特に棗さんに危害が及んでいるという訳では」
「無いですね。まぁ他の生徒に危害が及んでいて、あまりにも粗暴な者なので、学校も対応に苦慮しています」
修助は今、揺りかごが経営している心療内科でカウンセリングを受けていた。症状の状態に合わせて通院サイクルを判断し、適切な薬剤を処方する。採血もされており、その結果週に一回通院する重症患者として治療を行っている。
「それはかなりストレスのかかる環境ですね。学校も対応に苦慮か……」
主治医が修助の状況を電子カルテにメモする為、キーボードを打つ。その音だけが支配する環境の中、作業する主治医の邪魔にならないよう、修助はしばらくの間沈黙する。心療内科医の仕事はあくまでカウンセリングと薬剤の処方であり、学校にいる不良をどうにかするヒーローではないのだ。
「それで、棗さんはその現状をどうにかする為に、弁護士に相談と」
「はい。恐らくそれでこの問題は解決します。まだ会ってもいないので、確証は有りませんが。とりあえず、私の身の回りに起こっている事は以上です」
「解りました。では引き続きお薬についてですが……」
主治医は修助の話を一通り聞き終えた後、処方する薬品の紹介をし、一週間後の予約を入れた後、診察室を後にする。
心療内科とは、心の病気であるうつ病を専門的に診察や治療を行う場だ。目に見えて怪我をしていると解る外科とは違い、未だ根性論を信じて止まない時代遅れの連中からは、その存在自体を知らない、あるいは言葉巧みに言いくるめて金を巻き上げている連中と思っている始末であるが、年々うつ病によって健康そのものが蝕まれているのが現代社会だ。
どうやら遼平の作品世界にも、こうしたうつ病を抱えて生活している人が多いのだろう。揺りかごが抱えているだけでも二〇人は心療内科を専門とした医者が在籍している。それは執行者の誘拐によって傷ついた心をケアするのも、揺りかごの仕事の一つだからだ。
修助は診療代を支払った後、処方箋を片手に薬局へ向かい、朝昼夕、そして就寝前に飲む錠剤を受け取り、その家路に向かう最中の事だった。
「おいセクハラ野郎。何企んでるか知らねーが、あまり変な事してっと、テメーを今度こそ退学に追い込むぞ?」
「冗談きついぜ。ノーヘルで原チャリ乗り回してるガキ共が言う事かよ。潮賀」
修助はため息を吐きながら、ご丁寧に八人もの取り巻きを連れて、歩実が修助の帰り道を妨げていた。
「お前と関わるのはゴメンだ。帰り道はいくらでもある」
「そうは行かねぇんだよ」
原付にはエンジンがかかっていたようで、歩実の手下の一人が器用に旋回して修助を足止めする。ここで挟み撃ちにすれば、大抵の人間は怯えて何もしなくなる。そして口封じに身体で解らせる事も出来る。それが歩実が優等生として教師に信頼され続ける所以であった。
バレなければ何しても良いし、バレても学校が匿ってくれる。その状況にあぐらをかいた歩実は、自分を退学に追い込もうとしているのを誰かから聞いたのか、それをさせない為にこうして逆に何も出来なくなるよう追い込むのだ。
「放課後に温室で一服付けようとしたアタシのダチから話は聞いてる。アンタ、アタシの将来を滅茶苦茶にする気だろ? 今すぐ止めろ。アタシはダチと約束してんだ。良いとこの大学ってのは、無垢で世間知らずな女がいっぱい居る。毎日のように合コン開いて、女を好き放題させるって約束がな」
「そんな約束すんなよ。皆お前に迷惑してるんだぜ? 何だったらここで、今までの迷惑料、耳を揃えてきっちり払って貰おうかい。え? 聞いてんのか?」
修助は前世の経験から、こういったすぐ暴力に頼る輩に脅されても、毅然とした態度で居る事が突破口になると言うのを、パワハラ上司からの暴力で学んできた。当時は退職代行を利用して円満退職となる予定だったが、パワハラ上司に呼び出され無理矢理出勤させられてしまう。しかし心が弱っていた修助はここを乗り越えればと、消化予定の有給を返上して働いて居た為、見かねた兄である遼平が教えてくれた事なのだが、とにかく相手の風下に一度でも立てば、もう立て直す事は出来ない。されるがまま。
それを防ぐ為にも、虚勢を張ってでも毅然とした態度で目の前の少女を見据える。すると彼女は首を横に振った後、修助の後ろに回り込んで退路を塞いでいた一人が、突然原付を、それも歩実達の居る大勢にめがけて旋回した後突進させてきた。
「そんなもん、テメーのタマで勝手に払ってろ!」
いくら小さな原付とはいえ、重たいエンジンの載ったそれが五〇キロのスピードで乗り捨てられ、修助の許へ突っ込んでくれば、死は免れない。
だが修助はそれを避ける真似はしなかった。それをすれば、後ろでニタニタと笑っている歩実やその仲間に当たり、あらゆる責任を修助に擦り付ける魂胆で居るのが丸見えだったからだ。
まずは仲間の何人かが負傷する。この負傷の原因はどんなに説明しても修助が暴力を振るって負わされたものとして扱う為である。そして彼女が原付を乗り捨てろと指示したのも、後から猫を被って、引きこもりであるはずの兄までもダシに使い、修助が彼女の兄の原付を勝手に盗んで事故を起こした事にする為である。
どれもこれも強く言えば筋が通る。無茶も通せば道理は引っ込む。そういう生き方をしてきた彼女は、自らの手を汚す事無く学校という小さな空間を支配していた。
(父さん、母さん、兄貴。ゴメン……)
迫る原付、選択の余地の無い修助。心の中で再び死んでしまう事を両親や兄に謝りながら、目をつむってその衝撃に供えていた。
彼の予想通り。乗り捨てられたとはいえあまり減速していない原付が修助の身体を直撃する。
しかしその直後、不思議な事が起こった。
(え? 俺、宙には浮いているけど、怪我どころか、痛みも感じない……)
スピードの載った原付が直撃した身体、それに対する身体の返事が余りにも荒唐無稽過ぎて、地面に頭から落ちても、処方された錠剤が地面に散らばっても、しばらく呆然とコンクリートの上で上半身を起こしたまま、本来ならすり下ろされた果物のように破けた皮膚が見えたであろう腕や足を見つめる。
「な、なんだこいつ!?」
「死ぬどころか血の一滴も垂れてねぇ!」
周りが動揺する。修助は改めて自分の手や腕を見ると、先ほど走ったまま乗り捨てられた原付に体当たりを喰らったのが嘘のように無傷で居た。タイヤの跡が残っていたり、衝撃でボロボロになっていたのは衣類だけだ。
散らばった薬剤の袋を拾う為に立ち上がる。本来走るはずの痛みはまるで無く。まさに健康そのものと言った様子で不思議に思いながらも再び歩き出す。だがあまりにも荒唐無稽な出来事だった為、その声は少し震えていた。
「そ、そう言うこった。道を開けろ。邪魔だ」
「それはこっちの台詞だ。今度売りさばくシャブの買い付け資金、お前の財布から頂くよ!」
そう歩実は言うと、数名の男が短めの鉄パイプでいきなり修助に殴りかかってきた。だが、彼はいくら殴られても傷一つつかない。
味を占めた修助は、キャラクターになりきって男達の間を通り過ぎると、振り向いたと同時に、本来”宗佐”の台詞の中で没にされた一言を歩実に伝える。兄の仕事を間近で見てきた修助だから出来る芸当だ。
「
「ふざけんな!」
そのまま走って逃げようとした修助を、歩実は取り巻きと共に追いかける。お世辞でもあまり運動が得意でない修助は、タバコの吸いすぎで息切れを起こしている歩実に追いつかれてしまい、そのまま地面へと組み伏せられてしまう。
優等生とは、勉学だけでなくスポーツも優秀。彼女はタバコの吸いすぎであまり長い間走る事は出来ないが、それでも下手な運動部より運動神経があり、何より柔道を得意としている。掴む面積が広い洋服は柔道にとって格好の餌食だ。
「早く財布を出せよ! そしたら山に埋めてやるから」
「証拠の一つにそこまで必死にならんでも……」
「ごちゃごちゃうるせぇ! こっちだって生活がかかってんだ! シャブ売らなきゃなんねーし、何よりテメーの持ってるスマホ、さっきから音声録音してるだろ!」
言いながら彼女は修助の気道を塞ぐように固める。そこから財布とスマートフォンを取り上げるために取り巻きの二人に彼のポケットというポケットに手を突っこもうとした時の事だった。
「修助、帰りが遅いと思ったら、これはどう言う事?」
「事と次第によっては、息をするのも辛い目に遭って貰います」
家路の途中にある人気の無いこの場所で、前世で実母であり、最近義妹である事が発覚した真琴が、今生の母であるエレナと共に現れ、二人して怒りのこもった物騒な言葉を口にする。
最初こそ、歩実も含めて女二人で何が出来るとゲラゲラ笑っていた取り巻き達だったが、エレナが地を蹴った瞬間、全員がバラバラ死体となって崩れ落ちていく。
それを見てしまった歩実は、恐怖のあまり修助を固めていた力を緩め、自分もあんな風に殺されてしまうのではないかという恐怖から修助のズボンに失禁してしまう。
それでも歩実は虚勢を張り、この状況は寧ろ有利に働くと考えついた。まだ修助のスマートフォンは音声を録音しているはずだ。編集して逆に訴えれば殺人罪未遂の被害者として自分は生き残れるし、シャブも売って小遣い稼ぎが出来る。そこまで思考を巡らせていると、今度は真琴がゆっくりと近づいてくる。
「よ、よせ! やめろ!」
自分が被害者として届け出るには、録音されている音声の存在に気付いてないよう振る舞わなければならない。だから歩実はパニックになっている演技をする。
しかしそれはヤクザを一組潰した前世を持つ真琴には全く意味の無いあがきだった。
「目に入れても痛くない、アタシの可愛い息子に、アンタの汚いションベンをぶちまけたツケ。たっぷり払って貰うわよ!」
どう見ても高校生である歩実より幼い少女が、指を鳴らしながら歩いて近づいてくる。その目は何人か人を殺した事がある人間がする澄んだ瞳であり、この少女はただ者ではないと、様々な悪事の経験で歩実は理解する。
だがもう何もかもが遅すぎた。堅い拳が歩実の顔面に直撃すると、組み伏せていた姿勢から仰向けになり、その襟をつかみ無理矢理立たせると、今度は鳩尾に正拳突きを入れる。
歩実は今まで味わった事の無い鳩尾への攻撃に、前屈みになり苦しんでいると、更に真琴はその後頭部に拳を振り下ろした。
瓦割りや氷柱割りで鍛えた拳の堅さは、大きな岩をそのまま後頭部に向けて落としたものと変わらず、歩実はそのまま意識を失う。
「修助!」
歩実が動かなくなるのを確認すると。真琴は服がボロボロな上、小便までかけられてしまう惨い姿になってしまった息子の修助を力強く抱きしめる。
「母さん……ありがとう」
「病院からなかなか帰ってこないから、心配して迎えに行ったのよ。そしたらこれはどう言う事なの?」
「それは、帰りながらゆっくり話すよ。服はボロボロだけど、身体は大丈夫だしさ。でも心配かけた事は本当にごめん」
「ごめんじゃないわよ! あんなゴロツキに絡まれて、シャブ売りの話まで出て! 一から全部話して貰うからね!」
修助は真琴のお叱りが録音されないように、怒鳴られる直前にスマートフォンを隠れて操作し、録音をストップさせる。
しかし、エレナが一瞬で八人の取り巻きをバラバラ死体にし、真琴もその手で歩実の意識を奪ってしまった瞬間の音声は入ってしまっている。これでは弁護士に介入して貰う前に、この音声データを編集する必要がある。日付で編集がバレてしまうかもしれないが、二人の母親に不利益が被る事は避けたい事態だ。それにエレナは怒りに身を任せ、一瞬で八人を殺害したが、同時にそれをすぐに蘇生させる事が出来る力を持っている。きちんとくっつくまで時間が掛かるのと、生きてはいるがいつ目を覚ますか解らないという欠点は有るが、このまま殺人事件として処理されるよりはいくらかマシだ。
こうして修助は二人の母親の間を歩き、不審者から守って貰いながら、その道すがらこうなった経緯を洗いざらい吐かされる事になる。彼は正直に全てを話して、これからどうするかまでも伝えた後、家へ上がりまずはかけられた小便を流す為に風呂へと入るのだが、ここで彼は前世で読んだ作品のクライマックスシーンである、一がウェルクを倒すシーンを思い返していた。
(確かあのシーンは、一とウェルクの一騎打ちだったはず。和奈はエレナと戦っていて、一が勝った瞬間、エレナは記憶を失い、何も出来なくなった。バラバラにしたゴロツキを一瞬で復活させる力を持ってはいるが、ウェルクが保険としてかけてた忘却の魔術のせいで、あのゴロツキ共のように蘇生には至らなかった。じゃあ何で今になってウェルクは生き返った? エレナがあのザマじゃ犯人候補から外れる。他にもウェルクを慕っている女や幹部は居たはずだから、そこを当たってみるか)
考えれば考えるほど、底なし沼のような謎にハマっていくのを感じた修助。彼は一旦揺りかごと敵対した人物を総当たりで調べる方向で自分の中での話を纏めると、今日起きてしまった恫喝の恐怖を忘れる為に、頭まで湯船の中へと沈んでいった。
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