「悪いサントラ」って、何だ?
kayako
「悪いサントラ」とは何ぞや。
私はサウンドトラックが好きだ。
映画やドラマ、アニメ、ゲームなどなどで流れるBGMが好きだ。
小さい頃にナウシカのサントラを買ってもらって以来、良いサントラを聴けばとにかく欲しくなる。
ナウシカにラピュタに魔女宅、それに劇場版パトレイバーはカセットテープが擦り切れるレベルで聴いた。
ラピュタに至ってはカセットで出ていた「ドラマ編」なるもの(映画の音声がそのまま録音されたもの)をサントラと勘違いして、なんと
映 画 見 る よ り 先 に
聴いてしまう始末。
これは今でも世紀の凡ミスだと思う。
みんながわーきゃー言って盛り上がってるはずのシーンを、「あぁ、あれって映像だとこういうシーンだったんだ……」という感情で眺めていた初見時の哀しさよ。
というわけで、私はサントラが好きだ。
好きな映画やドラマやアニメ、ゲームのサントラは逐一チェックしている。
持ってるCDは歌手やバンドのアルバムよりサントラが圧倒的。
通勤のお供によし、作業用BGMによし、普通に鑑賞するもよし。
サントラの世界は本当に良いものだ。
ちなみにこのエッセイを書いている時のBGMは「映像の世紀」サントラ。
メインテーマ「パリは燃えているか」はいつ聴いても惚れる。
ここで本題。
「良いサントラ」というのはこの世にたくさんあるが、果たして
「悪いサントラ」とはどういうものなのか。
作品の蔑称として「クソゲー」「クソアニメ」「ダメ映画」というのはよく聞くが、
「ダメサントラ」というのは聞いたことがない。
ダメな作品が論じられている時でも、「BGMは良かったのに」「良かったのは音楽だけ」という意見もよく見る。
どんなに駄目な作品でも、サントラまで駄目だったというケースはそこまで多くはない……気がする。
じゃあ本当に、「駄目なサントラ」というものは存在しないのだろうか。
サントラというのは作品問わず、全て良いものと言っていいのだろうか。
疑問に思ったので、「駄目なサントラ」の例をちょっと考えてみた。
1.ドラマを邪魔する(日本語の歌などが入る)
昔なんかのアニメで見た気がする。
日本語の歌がバックで結構な音量で流れて、ストーリーに没入できなくなるケース(しかもほぼ全てのBGMが歌つき)
登場人物の台詞と同時に日本語の歌詞が流れていたせいで、集中が著しく削がれた。
歌を流す時は台詞の多くない場面でやるべきと痛切に思ったような。
2.サントラに入っているのが同じような曲ばかり
よくあるのが、メインテーマのアレンジが10曲以上入ってるとか。
エヴァの3枚目のサントラとか凄かったな……フライミートゥーザムーンがいくつ入ってたんだアレ。
3.聴きたい曲が収録されてない
あの曲が、あの曲が聴きたかったのに、何故サントラ入ってないんだ~!!!!!
となった経験、何度あったことやら。
ナウシカのサントラなんか、収録されてない曲の方が多いのではってくらい多い。
アレ、未だに未収録曲のサントラ出てないよな……腐海突入時のとか王蟲の子発見時のとか。ドラマ編で我慢しろってか。
2との合わせ技だと最悪である。何で一番聴きたかった曲が入ってなくて、本編で腐るほど聴いた主人公のテーマみたいな曲が水増しされて入っているんだと。
でも、主人公のテーマ的な曲って実は作るの一番難しいらしいですね(それが普通の明るい女の子系だと特に。あと平和のテーマ的な曲も)
だからアレンジ色々加えたくなるのは分かる、分かるんですが。
4.売り方が最悪
典型的なのが、ブルーレイとの抱き合わせ商法。
本当に今からでもマジやめてください鬼滅お前のことだ。
この例でもっと最悪なのが、
公式サイトで「サントラ欲しいですか?」みたいなアンケート取ってたヤツ。
本当にBGMが良かった作品だったので、こんな商法がまかり通ってはならんと怒り狂いながら「欲しい!!」を連打した覚えが。
その甲斐あってか?めでたくサントラは発売されたものの、
聴きたかった曲だけ未収録で、どーでもいい曲が結構な長尺で収録されていたという……
5.サントラだと思ったら変な英語の歌ばかり収録されていた
昔の刑事ドラマサントラによくあったケース。
私が聴きたいのは海外のよく分からんアーティストの歌じゃなくて、緊迫した場面で毎回かかってたあのBGMなんだよマジ分かってくれよ。
6.サントラだと思ったら映画本編の音声まで(勿論台詞も)一緒についてきた
制作者曰く「映画の雰囲気をそのまま味わってほしい」
そんなら映画そのまま見ればいいのではと思わず突っ込んでしまう。
ナウシカやラピュタのドラマ編が典型例だけど、これは「サントラ」ではなく「ドラマ編」と銘打っているからまだいい(間違った例は私を始め多数あると思うけど)
サントラと言ってるのに台詞と音声そのままはね……
ちなみに火垂るの墓のサントラもこのタイプだった気が。
作業用BGMになんかさせてたまるかという制作者の意地さえ感じた。
火垂るの墓だとイメージアルバムがオススメです。
本編の作曲家(間宮芳生さん)以外にも2人の作曲家が参加しており、様々な世界観が楽しめる。
***
ここまではサントラの構成などに問題があったケース。
音楽そのものが問題だった、というわけではない。
じゃあ、音楽そのものが良くなかったサントラというのは何なのか?
と思い返してみると
7.作品の印象、世界観などを壊している
こういうケースは意外と記憶にないなぁ……
OPやEDが作品イメージと合ってない、というのは結構あるんですけどね。
シリーズもので、途中から音楽担当が交替したせいでそれ以降の作品イメージがちょっと変わってしまった、というのはこれに該当する……かな?
昔好きだった作品で、子供向けながらもそこそこハードという世界観だったのが、続編で作曲担当が替わりいかにも子供向けのBGMになってしまい、同時に作風も徹底した子供向けにシフトし、すごくがっかりしたのは覚えている。
ただ、その作曲家の持ち味というのもあるから、曲そのものが悪いとは言えないケースも多い。と思う。
8.サントラが印象に残らない
これだけで悪いサントラとは言い難い。
作品に溶け込んでいるなら逆に良いのでは?とも感じる。
サントラが購入に値するかというとちょっと考えてしまいますが。
***
ということで、私が本当に問題にしたいのは
9.音楽そのものの質が悪い
そういうサントラなんですが……
見事に思いつかないんですよねw
たまたまそういう変なサントラに当たっていないだけなのかも知れませんが、音楽そのものが悪いサントラというのは、あまり思いつかない。
それまでの作品とどう違うのか分からない、この作曲家が最近出したヤツは全部同じ曲に聞こえる、というサントラならありますが。
音楽そのものの質が悪いサントラ、というのは思いつきません。
そもそもそういうサントラは、発売すらされないのかも知れませんが。
このサントラは本当に音楽そのものが駄目だった!というものがあれば、コメントで教えていただきたいくらいです。
というわけで、サントラの世界は最高です。
だからブルーレイ抱き合わせ商法だけは本当にマジやめてください。やめろ。
(↑今回一番言いたかったこと)
「悪いサントラ」って、何だ? kayako @kayako001
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