「童」

 老人は手の中でせっせと石を彫った。

 祈る姿の童子の像を。


 それは亡くした子の姿に似て柔和な顔立ちで笑んでいる。


 彫った像は森の小道に並べていた。

 増えた像はいつしか減っていくと噂になった。町で遊ぶ子供達が時折実際の数より多い時があっても、誰もそれを口にはしなかった。

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