2-3 Leaving and Returning from class D
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「ひろゆきぃー〜〜っ」
「みっ、宮古っ?!」
突然オトコに抱きつかれた内郷が口にした名前は、D組に昇格した
ばかりのはずの宮古大地(みやこ がいあ)。名前の通り、地の力を持つ
が、大地の神の名を当字にしたせいか、能力(ちから)は俺同様にしょ
ぼい。 泣きじゃぐりながら宮古は、いった。
「親友のくせに急に苗字呼びだなんて!ヨソヨソしいなあ」
(ウザいなぁ・・・・・・)
愛想笑いと苦笑いが内郷の顔を行き交う。
「それより聞いてくれよ〜。地獄のD組の・・・・・・」
「D組は幼児舎からの繰り上がりがほとんどらしいっちゃからなぁ」
宮古の言葉途中、カグラの声が割って、入ってきた。そして、怨那が
宮古を内郷から引き剥がした。
「いつまでウッチーにくっついてんのよ!」
「あやや。」
「さっさと離れてよ! 変態だいち!」
「だいち言うな〜。ガイアだ!」
「それは女神の名前じゃん」
「ジェンダー差別はんたーい、怨那ちゃんったら、そんなに妬かなくて
もぉ・・・。ちょっと慰めてもらおうと思ってただけなのに」
クスっと宮古は笑った。
すこし膨れっ面で怨那が返した。
「D組からF組(うち)に降格になったのって、D組の体制や人間関係の
せいじゃなくて、あんた自身の問題だったんじゃないの!?」
「またまたー。」
そこにまたカグラの声が割って、入ってくる。
「そのD組にほのかが昇格しとっとよね〜」
「えっ!?千刈ちゃんが!! 久慈も降格だし、マズいね。D組(あぞ
こ)へは『昇格’』というより『罰ゲーム』だもん」
急に深刻な表情にかわった宮古に内郷は不安を覚えた。
(D組(そんなクラス)に炎華ちゃんは・・・・・・)
「あのコなら大丈夫よ。たぶん」
宮古を羽交い締めにしていた怨那が内郷の様相の変化を察して、いった。
すかさず涼窩が内郷の腕に自分の腕を絡ませながら、追句する。
「そやで。あのコならクラスごと掌握してはるかも。あはっ」
「『あはっ』じゃない! あんたも離れなさいっっ」
今度は怨那が涼窩の腕を引っ張り、内郷から涼窩を引き離した。涼窩は
笑いながら話されていった。楽しんでろようだ。
その最中、体格の良い銀髪のオールバックの男がソフィーの前の席に
着き、後ろ向きながら、なにかつぶやいていた。
教壇の女性教諭が手を叩く。
「Attention! 注目ぅ〜」
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