2-2  Sophie Yegerw


          2

 その時。ガララララッっと音をたてて、前のトビラが開いた。昭和か!?

と、突っ込みたくなるようなこの情景は、この学園の演出らしい。この音は

一定の緊張感を与えるらしい。

 この音と同時に、先刻まで外に見えていたモンスターでも出現しそうな

妖しげで不穏な空模様と空気は、それがまるでウソであったかのように瞬

時に澄み切った青の広がる暑苦しい夏空に戻っていた。

 元B組の麗焔の爆炎も凄かったが、ソフィーのソレはソレを遥かに凌駕

する。これがA組とB組の「差」なのか!!?というぐらいに。F組(うち)

に堕とされた(きた)のは、この感情の起伏の激しさとコントロールの下手さ、

協調性のなさと独りよがりな傾向があるトコなのだろう。



 内郷はとっさの対応に実は内心ドキドキしてるくせに平静を装って前を

向いているソフィーを目にしながら、回想した。

 (2×2のトキも「そこに貴方はジッとしていなさい!」とか叱責して、

  俺(ひと)をワンコのように坐らせておいて、他のクラスメイト(人達)

  のようにナニカするわけでもなく、放置プレイ!って、をぃおぃ(汗)

  それはさておき、ソフィーはそんな俺を尻目に独りで闘い、結果、

 全敗。彼女のプライドはズタボロなんじゃないかと推察する。歯痒い

 思いであったが、後方で只佇んで見ているコトしかできない俺に、なに

 かできて、なんとか出来た・・・とは思っちゃいないけど。)


内郷はすこし遠い目をして、温かくソフィーを見つめようとした瞬間、

衝撃が走った。






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