第2章 before Summer vacation




 その昔、次元を飛びすぎて、神話の時代や古代、まだ人類というものが生まれていなかった頃や、中世、近世、近代、未来、戦国時代など、様々な時代で、いろんな各地で、接触していて、その時の地球のその場所に定住した人たちも結構いたそうだ。たまたま時間軸が交差する瞬間がわかっていたりした時、どんな感情が湧き出すのかはわからないが、地球へ行く者、そして、そのまま居着く者たちがいた。そして、その当時の、それぞれの地域や国で、出逢った異性と結ばれて、子を作り、血脈を残した者もいた。そりゃそうだろう。行くトキの瞬間がわかるコトが出来て、行く手段がコチラからはあっても、地球側からはそれは無理だったのだから。それでも、行く者は絶えなかった。

 オーバーテクノロジーや知識は時代によってはただの異端。魔法や妖術と同じだ。ゆえに、それらは口にせず、郷に従い、郷に溶け込み、埋もれていった。そもそも、GPSがなければ、位置情報がわからない様に。ロケットを打ち上げる技術がなければ、GPS自体存在しない。そんな風に、どんなオーバーテクノロジーも知識も前段階が存在しなければ、理解されないし、実用は当然できない。

 オーバーテクノロジーは神話や伝説や迷信、お伽噺、夢物語と形を変えて、世に受け入れられていった。けれども、血縁による能力(ちから)の覚醒による諸問題、発覚した時の差別や偏見、周りの人たちの過剰な反応や対応、常軌を逸した事象など。それらは、戻ってくるコトができなかったコチラ側にも時間の流れと共にどこからとなく伝わってきて、それらは懸念すべき事態だと紛糾した。そして、彼らの保護と健全な育成を謳い、この学園の礎が造られた。やがて、テクノロジーは発展し、能力(ちから)の開発も進み、地球側からもコチラ側に行けるようにはなった。

 それが今の現状なのだが、それはまた別の問題を引き起こすコトとなった。その文明や文化、価値観、技術、などなどの、大きな差異から、これも事実上一方通行で。巨大な資金や多くの人が関わっていたのだが、知る人ぞ知るの怪談レベルの話に地球では収まるように情報操作されていた。










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