11 Rooftop Garden
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ベンチからカグラは立ち上がると、いった。
「この街の人たちは、全員見えとっとさね」
その言葉に内郷は疑問を呈した。すると、カグラは身を折り、内郷に微笑
んだ。
「普通の人にはソレは見えないんですよね?」
「そうよ。一般人といわれる人たちには、見えても精々後光。観音様の手か、
阿修羅の手か・・・・・・。でも、この街の人たちは皆んなちゃんと見えてるの!」
「ココが異世界だった!とか言われるつもりですが?」
「食いつき良かよねぇ〜」
「別に、そんな・・・・・・う
内郷は口籠った。
「ごめんごめんっ!! ウチを救ってくれた環境ってコトでは似たような感じ
かもしれんけど・・・。けど、死んだ覚えはある? 神さまにはあった?」
その問いに内郷は首を横にふった。
「せやろ。街の人の多くが学園のOB、OG、関係者と知れば、なんとなく
納得やけどね・・・・・・」
二人がそんな会話をする中、怨那と涼窩と炎華は森陰に潜んでいた。
「もう姿を現していいんじゃないの?」
「まっ、まだ抑えるモノが・・・・・・」
『 あっ!!! 』
怨那と炎華の口論をよそに、涼窩が飛び出し、二人に気さくに声を
かけようとしていた。
「ヒロくーん、浮気の邪魔しに来たで〜」
その時。
天の月を指差し、カグラは内郷に、いった。
「あれが地球よ」
「 え っ !?
内郷は驚きの声を上げた。
その声に涼窩の足は止まり、かたまった。怨那は茂みから飛び出し、口を
両手で抑えていた。そして、炎華はいつの間にかベンチの後方にいた。
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