5

にょもにょもした雲だ。

「私は魔法少女!」

魔法少女はみんなを守る。みんなの希望。世界を救う。もちろん恋もするし、友情も大事。自分もみんなも幸せだ。

では変身バンクだ。

・まずは服が消失する

・身体が光に包まれる

・光が服の形をとる

・リボンとかフリルで飾られた服だ

・髪は変身前より伸びる場合がある

・小動物みたいなサポートキャラクターがいる

「あれ、じろじろ見られてるよ、街の人に。やっぱり露出が多いのかな?」

「まあ、いいじゃないか。君はかわいいよ。」

ダメ。

「見る側と見られる側で非対称性があるのは良くないことですよ。」

「あちゃあ。」

「私はどっちがいいのかな?魔法少女って、こういうものだと思っていたから…。」

「アップデートされた魔法少女を!」

「いや、そんなにイライラしないで、今まで通りでいいじゃないか。」

「私の意思は、どっち?」

「あなたが望む魔法少女は刷り込まれたイメージですよ。」

「そうかもしれないが、別にいいじゃないか。」

埒が明かない。カチャ。武器の銃を頭に当てる。

「それならもう消えていくしかないよ…。」

ズドン。

 失われた魔法少女は永遠になる。

 ただのにょもにょも雲。悪い夢だ。


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