Lata-Echne
我が神、あるいは懐かしき人へ
Atih-L
Atih-Lato、悍ましき簒奪
Fhruz-L
ただ一人の愛し子を、凍える潮汐は奪い去った。何度も、何年も、私の母とその母もまた、その年の贄が定まれば、どれほど強く握った手も放す他に道はなかった。貴女は昏い漣と潮風にのせて呪いを歌い、死の病を運び続け
私はRqui
そして、貴女は私たちの口を塞ぎ、その醜悪な神体を暗闇のうちに隠すに違いありません。それゆえ、私はここに告発します。貴女の罪を、暴力を、怠慢を、死の抱擁を、怒りを込めて書き記すのです。
Rquitva、この怒りを貴女に託します。どうか、あの深き神の罪悪を、白日の元に。
私は貴女が憎い。貴女を愛している。一度でいいから、真実の言葉で語りたかった。でももう、それは叶わないことなの
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(註一)アティハ・ラト。〝深き母〟の意。〝
(註二)
(註三)(註十一)当初はWyunihisk特有の地形による海鳴の一種であると想定されたが、現在ではその発生源が海中であるという事実によって否定されている。笛の音に似る。
(註四)(註五)書き手の主観に依るが、当時すでにAtih-Latoを悪魔とする動きが見られていたのは注目すべき事柄である。
(註六)Atih-Latoはたいてい、濃紺のドレスを纏い、顔にヴェールを下ろした女性の姿で描かれる。しばしば妊婦として扱われる点で多少の揺れはあるものの、すべてに共通して、美を示す言葉が添えられている。悪魔とされながらも姿形を変えない神は稀である。
(註七)ウューヴ・イシュク。〝黄昏の(=昏き)岸〟の意。現在のWyunihiskに相当する。独自の自然信仰をもっていたとされ、〝
(註八)十七世紀初頭。宗教弾圧から逃れた人々がWyuv-Ishkに渡った。
(註九)フュルツ・レテ。「広き父」の意。深度を想起させる海に対し、Wyuv-Ishkの人々は果てなき地平を大地に思い描いた。
(註十)ィヴク・レテ。「いと高き子」の意。AtihとFhruzの子。両性具有。原初、空に天蓋はなく、無窮にして孤独な暗黒の宙が広がるのみだったが、Yivqの誕生によって覆いがかけられ、安定を得たという。
(註十二)世界各地で散発的に観測されている異常現象、〝母神顕現〟の一種と思われる。空の色の急激な変化とその持続は〝パルヴィネンの聖母〟に類似する。
(註十三)〝
(註十四)ルキトヴァ。筆者の祖母。彼女は私が物心つく前に病で亡くなったが、母は祖母からWyunihiskに根付く自然信仰の栄光と破滅の物語を聞かされていた。母は私に幾度となくその話を語って聞かせ、それが今のWyunihiskへの興味に繋がっている。
(註十五)この手紙には「
拙著「〝Ishka-Ville(岸の徒)〟の聖典に見る母性への畏怖と怒り」より一部抜粋。
BFC3戦闘記録 伊島糸雨 @shiu_itoh
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