人間界に憧れる魔王 その5
「では、魔王様? 何故開いてもいないのに折り目のついたページが巨乳の女性が写っているページだとわかるのですか?」
「ぐ・・・・・・」
「核心をついて差し上げます。この雑誌の発売日は昨日。ジルゼクト様も王子ですからご執務の時間も考えますと、これを見ることができるのは夜。わずか数時間しか見ていない雑誌を他の人に貸すでしょうか? というかそもそも昨日ジルゼクト様はこの城にはいらっしゃっておりません。つまり魔王様がこの雑誌を受け取る術はございません。これでもまだジルゼクト様のものだとおっしゃるのですか?」
「もういいよ! そうだよ俺のだよ!
「爺が? いけませんね。粛正します」
魔王よりも魔王らしいパインの姿を見て、魔王は爺への謝罪の意を心の中で表明した。
ゴメンよ爺。エロ本買わされた上に、リアル魔王からの粛正を受けるなんて。
「だってしょうがないだろ! 俺だってもう18だぞ。むしろ興味がない方がおかしい」
「それは分かります。問題はそれが人間に対するものだということです」
「だって、人型の魔族ってあんまり好みじゃねーんだもん」
「そんな事を言っていては、このアルゼクトの血は絶たれてしまいます!」
「じゃあパインは、人型だからって、オーク族とか隻眼族と結婚できんの?」
「もちろん無理ですが? 目覚めた時隣に豚の顔があっては、家畜小屋にいるも同然です」
「俺もだよ!」
いくら可愛いって言っても顔が豚じゃ意味ないし、顔が殆ど眼球で占められてたら、表情もクソもない。
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