第11話 転換

ブラックの大胆発言で、舞の顔が真っ赤になって下を向いてしまった。


まぁ、ブラックは、いつも下の位置にいるわけだから、当然、見上げると見えている。


猫だからといって安心していたら、すごいことになりそうだ。


猫の前だからといって、あぐらをかいていたら、俺も猫になりたいと思う。



舞の白いのは置いといて、これからのことを考える必要がある。


俺が何かをすることを舞は期待している。そのせいで時間が変わると言うことも‥‥‥


しかし具体的には何もわかっていない。


もう11時を過ぎた時間になったので舞は俺がトイレにいっているうちにいなくなった。


猫のブラックは俺のベットの上に丸くなって気持ちよさそうに寝ている。


舞がなにを望んでいるのか、はっきりとしたものはないが、とにかく本を読み進めるしかない。


俺はあまり猫は好きではないけど、気持ちよさそうに寝ているブラックの隣に座って頭や体を撫でてみる。


お~、けっこう、温かくて気持ちがいい


しばらくブラックを触っていたが、ブラックがムクッと顔を上げて眠そうな顔をしながら、俺に向かって「早く本を読め」と言って、また、違う方向を向いて寝てしまった。


俺は仕方なく椅子に座って本を読み始めるが、時々、ブラックの寝息が気になって集中力がない。


それでも、本を読み続けていると、次第に本を読み続けることで集中力が上がってきた。


この本は先を読むたびに、変わってきているが、途中で読むのをやめても、次回からは、ちゃんと続きから読むことができるが、初めから読むことはできない。


つまり1ページ目から読むことはできない。


本の内容は、タイムマシンとタイトルにあったように、タイムマシンを開発していく内容になっている。


落書きのようなところがあったり、バツをして消している部分も出てきたりするから、読むづらい。


この本よりも、本当の本というか、ノートみたいなものが存在するんじゃないかと思う。


その理由は、設計図みたいなものが出てくるんだが、それが小さすぎて分かりづらいからだ。


たぶん、A4サイズのノートに書いているんじゃないかと思うけど、俺が持っている本はズボンのポケットに入る大きさだから。


だから、どこかに、同じものがあると思える。


日記みたいだとも思える内容に、わからないところもあるけど、なんだか不思議なことばかりで読んでいくと夢中になってしまう。


俺は宿題があることも忘れて読んでいく。


読み続けていると音がした。


後ろを振り返るとブラックが背伸びをしているところだった。


俺は、また、あの黒い侵入者がきたのか、舞が戻ってきたのかと思ったが、違ったようだ。


ブラックが動いただけだったのか?


俺は時計を見た。


「あっ、もうこんな時間か?」


本に夢中で時間を忘れていたが、もう4時になろうとしていた。


「あ〜もう、朝か?」と言って背伸びをした。


今日は学校に行って蓮の奴に宿題をうつさせてもらわないと、もう、寝ようか?」と行ってベットを見たら、ブラックが背伸びして起きたところだった。


「おっ、昴、今日は早起きだな」とブラック


「今から寝るところだ」


「なんだ、そうなのか?」


「ああ」と言ってベットの中に入ろうとする。


俺が布団をかぶせて、寝る体勢になるとブラックが「おい、スバル、起きろ」とベットの上で飛び跳ね出した。


「おいっ、お前、寝かせろよ」


「へへんだ、何言ってんだよ」


「お前は今まで寝ていたからいいだろうが、俺は眠たいんだ」


「そうなのか、じゃ、余計に寝かせるわけにはいかないな」


「おい、やめろよ」とブラックが布団の上を飛び回る。


俺は朝までブラックに起こされて眠ることができなかった。


ブラックに寝るのを邪魔されて、朝まで眠ることができなかった。


なので宿題をして、あとの残り時間を本を読む時間に当てると、どうしてかブラックは大人しくなった。


なんだか意味がわからないんだけど、俺に本を読めっていうことなのか?


舞も言っていただけ時間がないとか、時間が変わったとかいうことを言っていたが、それと関係があるのか?


なんの時間が変わるのか?


さっぱりわからない。


しかし、どうも俺に関係があるのか?


えっ、俺が時間を狂わすのか?


何がなんだかさっぱりわからないから、もう時間を見たら、6時過ぎているので、俺は一睡もすることなく学校に行くために、部屋から出て下に降りた。



高校にいくため家を出てきたが、試験でもないのに寝ていないせいで頭がぼーっとしている。


まったくブラックの奴め、帰ったら、どうするか見てろよ。


妹の陽葵ひまりと家を出てきて文句を言われた。


「お兄、昨日、じゃなかった、今日の朝、うるさ過ぎ」


「えっ、お前の部屋まで聞こえたのか?」


「うん、すごかった」


「そうか、ごめんな、ブラックの奴が騒いだんだ」


「えっ、そうなの、ブラックにあった時、普通だったけど」


「でもな昨日の夜は、騒いで眠れなかったんだ」


「そうなんだ、それじゃ仕方ないね」


「えっ、お前、俺には文句言って、ブラックだったら、いいのか?」


「それは、そうだよ、かわいいブラックだもの」


「お前な‥‥‥」


「何言ってんのよ、かわいいブラックはお兄が拾ってきたんでしょ」


「それは、まぁ、そうだが」


「だったらいいじゃない」


「俺は、ブラックのせいで眠れなかったんだぞ」


「まぁ、まぁ、そんなこといいじゃない、あっ、紬ちゃんだ、じゃあね、お兄ちゃん」というと陽葵は友達のところに走って行った。


陽葵が走っていく後ろ姿を見ながら、「あ〜今日は頭が働かない」と思っていたところに蓮がやってきた。


「おい、昴、どうした?」


「蓮か」


「お前、今日、大丈夫か?」


「え、なんのことだ?」


「後ろから見ていると、ふらふらしているぞ」


「あっ、そのことか、飼っている猫が夜に騒いでな、それで眠れなかったんだ」


「あっ、それでか」


「ああ」


「お前も苦労するな」


「まぁな」と簡単に答えたが、眠たくなってきた。


今日は勉強に集中できないだろうな。


蓮を支えにして、肩を組んで歩いていく。


もう少しで高校にたどり着く。



なんとか、寝ることなく授業を終えることができたと思う。


舞に言われたように本は、いつも持ち歩くようにしている。


いつ、あの陰のような変な奴が、襲ってくるかもしれない。


奴らの狙いは、俺なのか、本なのか、定かではないが、両方の可能性もある。


どっちにしろ、両方を守る必要がある。


そこに、今日は話していなかった舞が後ろから走ってきて、バックで思いっきり、叩かれた。


「あっ痛ぁ」


「今、帰り、昴」


背中を叩いたことなんて関係ないような言い方


「あっ、うん、舞は元気そうで」


「何よ、その言い方」


「いや、昨日ブラックが寝させてくれなくて」


「そんな激しかったの?」


「‥‥‥はぁ、もう何言ってんだよ、女の子が下ネタ言うもんじゃないよ」


「えっ、下ネタ? 遊んでいたんでしょ?」


「あっ、そっちね」


「なんのことだと思ったのよ」


「いいや、こっちの話」


「いいじゃない、教えなさいよ」


「もういいから‥‥‥」と言うと舞が急に真顔になって俺を道路に突き飛ばした。


「えっ」


「ごめんね、昴‥‥‥」


道路には車が数台‥‥‥その中に俺は舞から突き飛ばされてしまう。


まるで急に時間の過ぎるのが遅くなって車が近づいてくる。


俺の目は車の接近を見ているだけ。


俺が道路に倒れ込む前に、車が目の前に来ている。


「ドンッ」と音がした。


痛いと言う暇もないくらいに一瞬のことで俺は意識がなくなる前に見たのは、舞が俺の方を見ないで、顔は下を向いて悲しそうな顔をしていた。


舞の顔を悲しそうな顔を見ながら、意識だけは、しばらくはあったが、そのうちに瞼が閉じて意識はなくなった。









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ミステリアス舞 異能な転生者 @toku1

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