第10話 ネコのブラックと舞

俺は舞に詰め寄られて顔を近づけられてドキドキしているが、舞からお風呂上がりのいい匂いがしてくる。


ネコのブラックと違う良い匂いがしてくる。猫と比べるものではないが……


でも、猫のブラックは猫用シャンプーじゃなくて、俺たちと同じものを使っている。


うちとは違うシャンプーを使っているのか、良い匂いがする。


舞が口もとに指を立てながら「いい? 昴」と詰め寄る。


「う、うん」舞の顔が近くにあるため、俺の心臓は破裂しそうな感じ。


「もっと、急がないと大変なことになっちゃうよ」


舞の顔が息がかかるくらいに近い‥‥‥


「舞様、昴に接近しすぎですぞ」


「‥‥‥あっ、ごめん」と舞は離れた。


「まったく、もう、舞さまは‥‥‥」とブラック


舞の顔が赤いような気がするけど、俺の顔も熱があるように赤い。


ブラックが、俺と舞を交互にみている。


そして猫のブラックが二本足で立って、腰に手を当てて「まったく、もう‥‥‥舞さまには手を焼かされますな」


「もう、ブラック、そんなこと言わないで‥‥わかっているでしょう」


「はい、はい」とブラック


何をわかっているのか、俺にはさっぱりだ。


この2人?には、俺が入り込めない何かがある。


「舞は、どうしてブラックと知り合ったの?」


「えっ、ブラックは、昔からうちの家にいたのよ」


「そ、そうなんだ」 


そうじゃなくて、俺が聞きたいのは‥‥‥‥‥‥まぁいいや、多分、舞は本当のことを言わないだろう。


「ね、ブラック」


「はい、舞様、舞さまと、私は一心同体ですから」


「あははっ、なに、それ?」


「何をおしゃいますか、舞様とは、長い付き合いですから」


「それは、そうだけど‥‥‥」


舞が俺の方を見て「昴は早く進めてね」


「えっ、何を?」


「例のものよ」


「例のもの?」


「そう、例のもの」


舞が何を言っているのか、さっぱりわからない。


「舞、わかるように言わないと、わからないよ」


「例のものって言ったら、例のものよ」


「だ・か・ら、その例のものって?」


「それは‥‥それは言えないわ」


ガクッ


‥‥‥結局は、そこなのか?


俺が舞の期待に添えるのか、それはなんなのかまったくわからない。


しかし考えてみれば、舞が絶対に読んでほしいと言っている本に関係することだろうと推測できる。


本では、いつも読んでいくたびに内容が変わってしまうが、大まかなところは、どうも時間に関係する見たいんだ。


「さぁ、昴、また本を出して読んでいこうね」と舞


ブラックが「本当にこんな奴が、あんなことができるんですか?」


「うん、間違いないよ」と舞が、ヒソヒソ声を落として話している。


俺は机の椅子に座って、本を出して聞き耳を立てて聞いている。


舞が小声で「昴が、開発する機械は、本当は、もう少し先だけど、時間が変わってきているんだ、だから、早まると思う」


「舞様、どうして時間が変化してきているんんですか?」


「それは正直なところ‥‥わからない、けど、私たちのせいなのか、奴らのせいなのか、どっちかだと思うの」


「奴らならわかりますが、私たちも影響するんですか?」


「そりゃ、もちろん影響するわよ、出会わない人同士が、直接、会っているんだもの」


「出会わない人同士があっているのは、私じゃなく、舞様ですね」


「ええ、そうよ」


「もしかして舞様が、全ての元凶?」


「それは言わないの、ブラック」と強めに怒るような言い方。


「でも、舞様のせいで歴史が変わってしまうかもしれないんですよ」


「ええ、そうなるかも」


「それでも昴のことが?」


「‥‥‥」


「舞様?」


「えっ」


「……いや、いいんです」とブラック


「そう」


なんだか、今日の舞はちょっと変だ。


俺に何をさせるのか? 


まったくわからない…


しかし舞のせいで何かが変化してきているのは、舞の言っていることを聞いているとわかる。


どうも、舞が何かをして、それで時間の流れが変化したと言う意味に聞こえた、だから落ち込んでいるのか?


「あの舞? 大丈夫」


「えっ、ええ、私は大丈夫、何の問題もないわよ」


しかし舞の声が元気がないのは、俺にだってわかる。


舞は、なにが原因なのか、言わないから、励ましようがない。


しかし、どうして舞と俺が出会ってはいけないのか?


それとも俺たちのことを言っているんじゃないのか?


ブラックの言葉からは、推測は難しい。


俺と舞が出会うことで、何かが変化したのか?


いや、そんなまさか‥‥‥


どこか不思議なことをしている舞だったら、考えられるが、俺は、ごく普通の高校生だぞ。


「舞、そろそろ教えてくれない?」


「えっ、なにを?」


「いや、ボケなくていいから、どこからきて、なにが起きているのか? ということだよ」


「そ、それは‥‥‥」


「うん、それは‥‥‥」


「今は言えない‥‥‥いうと歴史が変わってしまう可能性があるの、昴、わかって‥‥‥」と言われたって、わからないよ。


「俺にいうと、どうして歴史が変わってしまうんだい」


「そ、それは‥‥‥昴の、これからのことに影響があるの」


「これからのこと?」


「ええ」


「俺が、これから何かするから、それが色々なことに影響するってこと?」


「そう」


「俺が何をするの?」


「歴史を変えること‥‥‥」


「歴史?」


「昴が、発明してくれたから、私は、ここにいることができる」


「俺が発明?」


「そう」


「も、もしかして本に書いてあった、時間に関係すること?」


「‥‥‥ごめん、これ以上は言えない」と言って舞は俺のベットに座って膝を抱いた。


俺が時間に関係することをするのか、考えるのか?


時間?


時間といえば、時間を止めること? または、時間を操作すること? または、時間跳躍?


とにかく時間に関係することだということは聞き出すことができた。


う〜ん、それにしても時間操作、時間停止、時間跳躍なんて、面白そうだ。と俺が考えていたら、ベットの上に膝を抱えて座っていた舞が、俺をじっと見ていた。


俺が、舞の方を見ると、やばいものが見えている。


「あの、舞? 見えているよ」


「えっ」と舞


そこにブラックが駆け寄って、舞の前に立ち塞がった。


「貴様、舞様の‥‥‥舞様の下着を見て‥‥‥舞様の下着を見るのは、このブラックだけだぞ‥‥‥」とブラックが言うと


舞が後ろから、空手チョップを頭に叩き込んだ。


「何を言うのよ、ブラック」


ブラックが頭を押さえて痛そうに舞の方をみる。


「舞様?、私は舞様の下着が見えるのを守ったのですよ」


「あああああっ、もういいから、昴の前で、そう何回も言わないで‥‥‥」


と足を直して女の子座りをした。


「もう、スバルもブラックもエッチなんだから」


ブラックが「だって、猫の私から見ると、いつも見えていますよ」


「えっ」


舞のスカートは短いので、ブラックの位置から舞を見上げると、見えるのか?


すごいな、猫になりたい‥‥‥


舞の顔が真っ赤で、スカートを下に下げようとしている。




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作者:お読みくださりありがとうございます。


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異世界ではなく現実世界に起きた物語ですから、主人公の昴と舞の物語をお楽しみいただければ幸いです。

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