第1話「令和元年の涙雨」⑧

※場所は佐賀県武雄市朝日町たけおしあさひちょうにあるエスカンパニー本社(兼、緒妻おつま家自宅)。⑦の続き16時頃(※)内は演出指示です。★は出来ればお願い項目。<>はセリフ以外の演出ほかシュチュエーションです。傍点は佐賀弁。






志織しおりが乗ってきた軽自動車と、もう1台”ADKエーディーケー”と会社名が書かれた軽バンがSエスカンパニーに到着する>




志織しおり:「社長、お待たせしました。福山ふくやま社長からお車借りてきましたよ!福山ふくやま社長より、緒妻おつまさん、気にしないで使ってね。って伝言をもらってきています。」




ゆう:「志織しおりちゃん、ありがと。福山ふくやま社長にも後から連絡入れておくから…」




理名りな:「ちわーす。緒妻おつま社長!お疲れ様でーす!」




ADKエーディーケーと書かれた軽バンから理名りなが下りてくる>




ゆう:「理名りなちゃん、久しぶり。"さかえ"社長、お母さんもお礼を言っておいてて。」




理名りな:「了解でーす。」




志織しおり:「理名りな…。ちょっと…。」




理名りな:「緒妻おつま社長、いくらか片付きましたか?」




ゆう:「今日は鹿島かしまから塚原設備つかはらせつび塚原つかはら社長が来てくれて、電気がぜ~んぶ通ったわよ!」




理名りな:「良かったすね!」




ゆう:「でもね…。志織しおりしおりちゃん…」




志織しおり:「社長、どうかされたんですか?」




ゆう:「エアコンは全滅だって…室外機の基盤がショートしているから、もう買いなおした方がいいそうよ。(※悲しそうな声で)まだ、この暑いのを我慢しないといけない…。」




志織しおり:「エ、エアコンは流石に痛いですね…。全部で5台ですか?」




ゆう:「塚原つかはら社長が安いのをどこかの量販店で自分で探したら、私がつけていいよって…」




理名りな:「自分の所のを売れば良いのに…量販店ですか?」




ゆう:「量販店で買う方が安いからって…。本当に申し訳ないわ。」




志織しおり:「皆さん、本当に優しいですね。人の優しさをこんなに感じる時はないです。」




理名りな:「姉さん?」




志織しおり:「理名りな、どうしたの?」




理名りな:「そろそろなんじゃない。(※楽しそうな声で)例の時間…」




<バタバタとランドセルを背負ったまさるいつきが帰宅してくる。>




まさる:「キッチンカーが来た!来たのは大きな魚のフライが乗ったハンバーガー屋さん」




いつき:「ポテトもあるって!"横の神社"にもう来てる」




理名りな:「今日はフィシュバーガーの日か!いつきまさるも、さっとランドセル置いて、キッチンカーへレッツゴー♪理名りなねえちゃんについておいで~」




志織しおり:「ちょ、(※声を張り上げて)ちょっと理名りな!!」




ゆう:「2人とも、行ってらっしゃい。私もあとから行くから。今日の晩御飯は"フィッシュバーガー"で決まりね!」




志織しおり:「社長まで…」




<ところ変わり、エスカンパニーの"横にある神社"にて。>




キッチンカーのお姉さん:「炊き出しにきました。良かったら食べてください。」




まさる:「キッチンカーのおねえちゃん、来たよ!(※甘え声で)フィッシュバーガーとポテトください。」




キッチンカーのお姉さん:「おっ!さっきの小学生!お姉さんがお願いした通り、家の誰かを連れてきた?」




いつき:「連れてきました。」




理名りな:「フィシュバーガー、プリーズ。一杯。7人分ありますか?」




キッチンカーのお姉さん:「また、年上の可愛いお姉さんがいたのね?高校生?」




理名りな:「そんな~冗談を。れっきとした成人女性です。ハタチですよ!」




いつき:「理名りなちゃんは私のお姉さんじゃない。志織しおりさんの妹…。だけど、私の本当の姉ちゃんより優しい。(※小声で)これは誰にも言わないでね)」




理名りな:「あ、忘れてた。ポテトもプリーズで。」




キッチンカーのお姉さん:「7人分ね。ちょっと待ってね。」




<キッチンカー内で調理している男性に向かって>




キッチンカーのお姉さん:「(※大きな声で)おーい!聞こえてる~。7人分ある?」




キッチンカーの男性:「ちょっと待って~。ポテトを揚げてるところだから。バーガーはあるよ。タッパーに入れて渡してもらって~」




キッチンカーのお姉さん:「(※大きな声で)ありがとう。わかったー!」




<使い捨てタッパーにフィシュバーガーを詰める作業を始めるお姉さん>




理名りな:「(※喜びの声で)OHHHHHHH!わくわくしてきた!」




まさる:「(※喜びの声で)僕も理名りなねえちゃんと同じでわくわくする…」


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