第33話

グランド王国に泊まる事になって次の日。

今日はコリンさんに依頼達成の報告をする事になりました。

朝になったので、泊まってる宿から出て、アニーさんと合流し、一緒に冒険者ギルドへと向かった。

グランド王国の国の中は、冬日だからなのかそれほど人がいないし、季節的に寒く気温も下がってるので、肌寒く感じてしまった。

国の中を数十分歩いて、冒険者ギルドの建物にたどり着く。

中に入ると、受付にコリンさんがいるのを発見、けど……コリンさんが誰かと話してるみたいだった。

コリンさんと話しているのは、金髪の男性で、なんか……身分が良さそうに見える。なんの話をしているのだろうか?

とりあえず……邪魔するの悪いので、その場で待つ事にした。

数十分後、話し合いが終わったのか、男の人が出ていくようだった。

見た目的に結構かっこいい人で、腰に剣を装備していたので、剣士の人なのかも知れなかった。

僕達は、コリンさんに話しかけることにした。


「コリン、依頼を完了したわよ」


「あ、アニスにエルフィー、そう言うことはスノードラゴンの討伐したって事?」


「はい、スノードラゴンっぽい魔物を討伐したとは思うんですけど……あれが、スノードラゴンって思えなくて……」


「とりあえず依頼品はこれね、確認作業お願いね?」


アニーさんがそう言って、スノードラゴンっぽい角をコリンさんに提示する。


「では、確認作業に入るので、少し待っててね?」


コリンさんがそう言う堵、奥の部屋に移動してしまった。

コリンさんに言われたので、その場に待つこと数分後、コリンさんが戻ってきた。


「確認が取れたわ、これは確かにスノードラゴンの角ね、なので依頼達成よ、では依頼達成のお金、渡すわ」


コリンさんがそう言うと、大きめの袋を渡してきた。


「はい、達成料、10000ベニーよ、で……今日は他に依頼を受ける?」


「いや、いいわ、これからサーシャルランドに戻ろうと思うしね、あ、それと……さっき男の人と話していたわよね?そいつって誰なの?」


「ああ、さっきの人はこの国の貴族、ジラード家の方よ、丁度依頼があったからこの場所にやって来たのよ、アニスはジラード家は知っている?」


「いや、あまり知らないわね……結構有名な貴族なの?」


「この国の中では結構有名な貴族ね、アニス達はサーシャルランドに戻るのでしょう?もしかしたら、サーシャルランドでも会うかもしれないから、覚えておくといいわよ」


「成程……分かったわ、ありがとね?コリン」


「いえ、では……またの依頼をお待ちしておりますね」


コリンさんにそう言って、依頼料を受け取った後、冒険者ギルドを出る。

ジラード家の貴族ね……一応、僕も他の国、ジュド王国の貴族令嬢らしいけど……もし僕が、貴族令嬢に戻ったとして、パーティとか開いた時に出会う事ってあるのかも知れないのかな?でも……僕は、貴族令嬢には戻らないと思う。

だって出来そうにないしね?

そんな事を考えていると、アニーさんが


「エフィー、これからどうしようか?今からサーシャルランドに戻る?」


「そうですね……アニーさんはどうしたいと思ってます?」


「そうね……もうやる事はやったし、お店に戻ってお菓子の準備でもしたいところだわ、エフィーはそれでいいよね?」


「はい、僕は構わないです」


「なら決まりね……そうね……移動方法は、転送魔法で帰りましょうか、とりあえず人気のない場所に行きましょう」


「解りました」


どうやら……転送魔法で帰る事が決まったので、僕は言われた通りにする事にした。

グランド王国の国の中を移動して、人が全くいない場所に辿り着く。


「ここならいいわね、では……エフィー、今から転送魔法を使うわよ、一緒に飛ぶから私の手を握ってくれないかしら?」



「解りました」


アニーさんに言われた通り、僕はアニーさんの手を握る。

な、なんかちょっとドキドキするかも……女の人の手を握るのって、あんまりした事なかったしね?

僕が少しドキドキしていると、準備が出来たのか、アニーさんが呪文らしき言葉を言う。

すると目の前が一瞬光ったと思ったら、景色が変わっていた。

よく見てみると、建物の中にいて、見覚えがあるので、この場所は

サーシャルランドのお菓子屋さん、シュガーレストの店内にいるみたいであった。


「凄い……今のが転送魔法なんですよね」


「ええ、場所の指定をしてから、転送魔法を使ったのよ、なのでサーシャルランドのお菓子屋さん、シュガーレストに戻ってきたわ」


「そうなんですか……あの、アニーさん、転送魔法って誰でも使えるのですか?」


「いや、誰でもと言うわけでは無いわよ、転生系魔法に適性があって、術を完璧に覚える必要があるしね、この魔法、結構上級の魔法だから、覚えているのはそれほど多くないわよ、覚えるのも大変だしね、エフィーは適性が無さそうだし、覚える事は無理なんじゃないかしら」


「そうなんですか……ちょっと残念です」


「とりあえず……私は依頼料をしまってから、お菓子作りに専念するから、エフィー、貴方は作業員服に着替えて、お店の開店準備をしなさいね?」



「解りました、じゃあそうしますね、あの依頼料のお金、使い道ってあるんですか?」


「エフィーはどうしたい?」


「そうですね……新しい食材とか新しい服の購入資金でいいと思います」


「成程……じゃあそれに使うわ、では私はお菓子作りをするわね」


アニーさんがそう言うと、その場からいなくなったので

僕は用意されている自室に戻る事にした。

自室に戻った後、着ている服を脱いで、作業員用の制服に着替える。

着替え終わった後、身だしなみを揃えて、お店の開店準備を始める事にした。

開店準備が出来たので、今日もお菓子屋さん、シュガー・レストを開店するのでした。

やっぱり僕……依頼を受けて冒険するより、お店をやっている方が好きなのかも……と、思っていたのでした。


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