第30話

朝の時刻になったので、僕は目が覚める。

目が覚めて、窓を開けてみると、気温が下がっているのか

少し肌寒かった。

今日から、僕が住んでいる国、サーシャルらんどは冬日となるって言われてるけど……この気温がそうなのかな?

これからもっと寒くなりそうだし、これは厚着した方がいいのかな……と思ったけど、よく考えたら、暖かそうな服を持っていなそうなので、これは一緒に住んでいるアニスさんに相談かな……と、そう思う。

とりあえず、目覚めたので、着ている服を脱いで、従業員用の衣装に着替える。

着替え終わった後、部屋を移動して、お店に出る事にした。

お店に出てみると、ここの店長のアニスさんがいたので、挨拶をすることにした。


「おはようございます、アニーさん」


「おはよう、エフィー……昨日言ったけど、このサーシャルランドは、今日から冬日となるわ、だから温かい物を中心に売っていきましょう?さ、品物を準備するわよ」


「はい、解りました」


アニスさんにそう言われたので、僕はアニスさんと一緒に開店準備をする。

作ったお菓子を並べて、そこに新作のお菓子、甘焼き餅も店頭に置く。

新作の値段をどうしようか……二人で悩んで、一つ100ベニーにする事にした。

ここでの100ベニーの価値は、果物が一個買えるぐらいの値段なので

価格的には、安めの設定だと思う。

お店の準備が整ったので、僕はお店を開店させる。

お店が開店してから、店内でお客を待っているのだけど……なかなかお客がやって来ない。アニーさんが言うには、冬日となって出歩く人が減少しているからと言うので、気温も関係しているんだ……と、そう思う事にした。

数時間後、お店にやって来たのは、この国でよくお店にやって来る子供のロクス君だった。

一人でもお客様なので、僕は挨拶をする。



「いらっしゃいませ、今日はどのような品にしますか?」


「今日はお姉さん、今日は寒いから温かい物を購入しようかなって思ってるんだけど……何かないかな?」


「温かい物ですか、実は……今日から、新作のお菓子があるんですけど、それにします?」


「新作のお菓子?それってどんなのなの?」


「新作のお菓子はこれです」


ロクス君に、新作のお菓子、甘焼き餅を紹介する。

ロクス君は、それを眺めてるみたいだった。


「これが新作のお菓子……お姉さん、これっていくら?」


「これは100ベニーになりますね、どうする?ロクス君」


「う~んっと……実は100ベニーしか持ってきてないんだよね? これ買っちゃうと、他の商品が買えなくなるし……でも、暖かそうで美味しそうだなあ……」


ロクス君が悩んでいると、アニーさんがやって来て


「じゃあ、この商品、5個を100ベニーで売ってあげるわ」


「本当?」


「ええ、今日だけ特別よ? それでどうする?」


「じゃあ……お願いします」


「毎度ありがとうございます、あ、ロクス君、気に入ったらこの商品宣伝してね?」


「うん、解った」


アニーさんがそう言うので、お会計した後、ロクス君が笑顔で店内を出て行った。

ロクス君が出て行った後、僕はアニーさんに


「いいんですか?アニーさん」


僕がそう聞くと、アニーさんは


「今日はこれ以上、人も来ないし……せっかく作ったのに、売れ残るのは残念と思ったしね? そうね……今日はもう店を閉めて、売れ残りは私達で頂いて、今日はこれから冒険活動を行う事にするわ、エフィー、閉店の準備をしなさい」


「了解しました」


僕は、アニーさんに言われたとおり、閉店の準備をする。

お店を閉店した後、自室に戻り、服装を着替える。

冒険活動と言っていたので、僕は動きやすい服装に着替えて、装備品のエミューの剣を装備する事にした。

装備が完了したので、自室から出ると、魔法使いの格好をしたアニーさんがいたので、僕はアニーさんに


「準備できました、アニーさん」


「ええ、こっちも準備できたわ、それじゃあ……今からグランド王国に行って、コリンから依頼を受けるわよ、今回は転送魔法じゃなくて、歩きでグランド王国に行きましょうか」


「解りました」


「じゃあ、出発よ」


こうして……僕達は、再びグランド王国へと行く事になったみたいです。

冬日になったけど、この町を出た後、何か変わったとかあるのかなあ……と、そう思っていたのでした。

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