第29話

僕がエルフィーとして過ごすのにもすっかりと慣れてしまいました。まあ、元の世界や元の体に戻る事は、無さそうな感じなので、僕はエルフィーとして過ごす事になりそうです。

僕が住んでいるのは、サーシャルランドにあるお菓子屋さん、シュガーレストに住み込みで

働いてます。

僕の他にいるのは、このお店の店長のアニスさんなので、僕はアニスさんと2人でお菓子屋さんを営業してるのでした。

そんなある日の事、いつものように朝起きて、外の天気を見てみると、ギャースと鳴いてるベルバードの姿がありました。やっぱり……ギャースって言う鳴き声は可笑しいよね?目も3つあるし、思いっきり魔物っぽく見えていて、あれが食用として出されてるんだよなあ……まあ、美味しかったけど……

とりあえず、本日もお仕事があるので、仕事用の衣装に着替える。

もう女物の衣装を着る事に抵抗感が殆どなくなってしまったかな?まあ……これと慣れると言う事なんだと思う。

エプロン姿に着替えた後、お店の店内に行く。

店内に入ると、開店の準備をしている店長のアニスさんがいたので、挨拶する事にした。



「おはようございます、アニーさん」


「おはよう、エフィー、そう言えばエフィーは知ってるかしら?明日からこのサーシャルランドは季節が変わるのよ」


「季節ですか?」



「ええ、今までは夏日って呼ばれている季節だったけど、明日からは冬日って呼ばれる季節になるのよ。で、このサーシャルランドは冬日だと気温が結構下がるから、冷たい物はあまり売れなくなるし、明日からは暖かい物が売れ始めるわ、だからこのお菓子屋さんも、明日からは冬日仕様にしようと思うのだけど、エフィー手伝いなさいな?」



「分かりました、あの……冬日って大体何が売れると思いますかね?ここはお菓子屋さんですし、氷菓子とかは売り上げは落ちるんですか?


「そうね、氷を使った菓子は確かにみんな頼まないと思うわよ、明日からは焼き菓子中心に準備しようかなって思ってるわ、とりあえず今日までは、氷菓子とか売り捌いてしまいましょうか?明日からは売れそうにないしね?」


「分かりました、アニーさん、お店を開店させてもOKでしょうか?」


「ええ、準備出来たから開店させていいわよ」


アニーさんにそう言われたので、僕はお店を開店させる。

お店が開店すると、やってきたのは、この国の子供たちだった。

僕は子供達に、明日からは冬日仕様になるので、氷菓子をお勧めする。子供達は、それなら

……って感じで、氷菓子を買ってくれた。

子供達が購入して立ち去った後、その後にやってきたのはら見かけない人達だった。

初めてのお客様だけど、ここは笑顔で接客を行う。


「いらっしゃいませ、何が必要ですか?」


僕がそう聞いてみると、見なれない人達は



「私たちは旅の商人で、今から暑い国で商売を行いたいと思ってるんだが、ここで冷たい商品を購入したいのだが……今、あるだけ購入する事は可能なのか?」


「あら、そうなの?貴方達はどこに向かうのかしら?」


「私たちは、今からジュド王国に向かうんだ、あの国はこのサーシャルランドと気候が逆なのでな?この国が今夏日なのが、あの国は冬日、この国が冬日になるとジュド王国は夏日になるのでな?だからこの国で冷たい商品を仕入れて、あの国で売り捌こうと思ってるんだ」


「そうなのですか、分かりました、今、あるだけお出しします」


アニーさんがそう言うので、僕もお手伝いする事にした。

それにしてもジュド王国ね……確かその国って、僕の両親が住んでると思われる国だったような?確か僕の本名、エルフィー・スカーレット、スカーレット家の御令嬢って言われたんだけど……今の僕がご両親と会っても何も解らないんだよなあ……

商人達に商品を渡した後、代金を受け取り、商人達は店から出て行く。


「あの人達、ジュド王国に行くみたいね?エフィー?気になる?一応貴方の出身の国みたいだしさ?」


「そう言われても、今の僕が両親に会っても何も思い浮かばないし、なら会わないほうがいいのかもって感じですから、気にはなりますけど

ね?今の僕はここの従業員ですから」


「そっか……でもいつかは行ってみるのもありかも知れないわね、その時は私も一緒に行く事にするわ、決してエフィーを1人にしないから、安心してなさい」



「分かりました、ありがとうございます、アニーさん」


「さ、閉店までまだ時間あるし、私はお菓子の調理に向かうわね、お店番はよろしくね?エフィー」


「はい、了解です」


アニーさんにそう言われたので、僕は店番をする。

結局、商人達がやって来た後、お店には誰も来なかったので、閉店時間になったので、お店を閉める事にした。

お店を閉めた後、アニーさんの所に行くと、アニーさんが


「試作品を作ったから、試食してくれない?」


「分かりました」


僕はアニーさんの作った試作品を食べる事にした。

見た目はドーナツに近い物だけど、真ん中に穴があいてないので、これって焼き菓子になるのかなって感じだった。

甘めに作ってあるので、結構美味しかったので、アニーさんに素直に美味しいと言う。

するとアニーさんが、これをお店に出す新商品よって言うので、2人でこの新商品の名前を決める。

そして決まった名前は、甘焼き餅と言う名前に決まった。

この甘焼き餅は、明日からの新商品にすると決めて、今日は疲れたので、自室に戻り休む事にした。

それにしても明日から冬日ね……この国って雪

とか降るのだろうか?って、そう思っていたのでした。






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