第9話

エミューの剣を手に入れた後、アリサ店長が何所かへと案内してくれるらしいので、別の店に行く事になっていた。

一体、どんな店に連れ出されるんだ……と思いながら、辿り着いた場所は

洋服店? みたいな感じのお店だった。


「アニスさん、この店って?」


「ここは、服屋さんよ、エルフィーの服って、今の所、私の服しかないでしょ? だから、エルフィー用に買ってあげようと思ってね?」


「そんな、悪いですよ」


「いいのよ、私がそうしたいんだからね」


せっかくアニスさんがそう言ってくれるので、その好意に甘える事にした。

お店の中に入ると、色々な服があった。

というか……なんか、見た感じバニーガールっぽい服もあるし、ゴスロリ? みたいな、黒っぽい衣装もあったりする。

この異世界に、バニーガールスーツの使用用途が全く解らないんだけど誰が使用するんだろう? もしかして、あれかな? ゲームとかでよくある「おに~さん、いいことしな~い?」とか客引きで使用する衣装なのかな? あれ……

そう考えていると、店員らしき人がやってきた。

金髪の髪を後ろで結んでいて、なかなかの美人さんだった。

目元もぱっちりしてるので、男にかなりもてるんじゃないかな?


「あら、アニス、久しぶり~今日はどうしたの?」


「久しぶり、サーナ」


なんか、アニスさんと仲よさそうで、この人、サーナさんと言うみたいだった。

もしかして、友達なのかな? この二人


「今日は、この子の衣装を購入しに来たのよ、何か似合いそうなのないかしら?」


「そうねえ~……う~ん」


サーナさんは、僕の姿をジロジロと見た後


「貴方に似合いそうなのを、持ってくるわね?」


そう言って、奥の部屋に行ってしまった。

数分後、何着か服装を持ってきて、サーナさんが再び、僕の前にやって来た。


「これなんて、どうかしら?」


僕に渡してきたのは白色のローブみたいな服だった。

フードみたいなのも付いているので、これ、全身にすっぽりとはまってしまう感じだった。


「なんか、似合いそうね? ちょっと着て見せてよ? エルフィー」


アニスさんが、そう言ってくる。

着て見せてよ? とか言われても……ここ、更衣室? みたいなスペースが全くなく、ここで服を脱がなきゃいけないのか? と思ってしまった。


「恥ずかしがってるの? しょうがないわね……私が着せてあげるわね?」


そう言って、アニスさんが無理矢理、僕の着てる服を脱がしてしまい


「じ、自分で出来ます!」


と言ったけど、「まあまあ~」とか言って、結局手伝ってくれるみたいだった。

とりあえず、店の中に男がいない事が、唯一の救いか……白の服を着てみると、思った通りサイズが大きくて、全身をつつみこむ感じだった。


「うん、似合ってるよ?」


「ええ、お似合いよ?」


二人がそう言ってくる、確かに衣装は抜群に似合ってるとは思うけど……


「ちょっと、この服だと歩きにくいかも……」


数歩歩くと、裾を踏んずけてしまって、かなり歩きにくかった。


「そう? でも気に入った?」


「まあ、いい服かも……とは、思いました」


「じゃあ、購入でいいかな? アニス」


「エルフィーが、そう言うなら、購入するわよ」


「毎度ありがとうございます、他の服も着てますか?」


サーナさんが、そう言ってくる。

今、着ている白の服を脱ぎ、元の服装に着替える事にした。

僕は、とりあえずアニスさんに


「他の服も買ってもらっていいんでしょうか?」


「別にいいわよ? あと数着はOkよ?」


アニスさんが言ったので、俺はとりあえず、店内を見渡して、男物っぽい服装を選ぶ事にした。服を選ぶと「ええ? これ? ちょっと可愛くないかも~?」とかアニスさんが言っていたが、気にしない事にして、服を購入してもらった。

買ってもらった服を、大きな袋の中に入れて、店を出る。


「じゃあ、服も買ったし、店に戻るわよ? 荷物も多くなったしね?」


確かに、剣もあるし、紙袋もあるし、結構な荷物になっていたので


「そうですね、戻りましょうか」


と言って、シュガーレストの店内に、戻る事にした。

店に戻った後、僕は自分の部屋に戻り、買ってもらった服と剣を空いているスペースに置き、ちょっと疲れたので寝る事にした。

こうして、今日の一日が終わったのでした。

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