第6話

初めての冒険に出かける事となって、サーシャルランドの町から離れる事になった。

アニス店長が言うには、シュミッツ平原と言われているらしく、近くに国、「グランド王国」とか言う、大きな国があるらしい。

もしかしたら、その国に行く事になるのかもしれないのかも?

そう思いながら、西の洞窟に向かっていると、途中で、モンスターが現れた。

見た目は、どう見てもゲームとかに出てきそうな、スライム状の生物で、色も青色をしていて、ボールぐらいのサイズだった。


「スラームよ、こいつは雑魚モンスターだから、さっさとやっつけましょう」


アニス店長が言うので、僕は、剣を構えて、切り込んでみる事にした。剣を持った感じは、ちょっと重かったけど、素振りをする分には、問題はなく、スラームに向かって、振り下ろす。すると「ウミャー!」とか、変な叫び声をあげ、あっという間に消滅。うん、確かに雑魚モンスターって、感じで、初心者用の敵?って感じの敵だった。そんなスラームが、行く先々に現れたので、倒しながら、西の洞窟に辿り着いた時には、スラームを数十匹を倒した後だった。


「ここが西の洞窟ね? さあ、中に入るわよ? エルフィー、疲れてる?」


そう聞いてきたので


「いえ、全然大丈夫です」


「そう、じゃあ行くわよ」


アニスさんにそう言われて、西の洞窟の中に入った。

洞窟内は、薄暗くて、少しの光しか入っていないらしく、奥が全く見えなかった。


「これは、光の呪文を使ったほうがよさそうね……光の力により、照らし出せ、ライト・ボール」


そうアニス店長が言うと、杖から光の球が出現して、辺りを明るくした。

なんと便利な魔法じゃないか? これ……

覚えられるんだったら、僕も覚えてみたいかも?

そう思いながら、奥に進んでいくと


「見つけたわ、あれが討伐対象の、レザーウルフよ」


目の前を見てみると、灰色の狼みたいな生物が、思いっきり寝ていた。

それも数が多く、見た目で少なくとも、十頭以上を確認出来る。

これ……一体を起こしたら、全て起きるんじゃない?


「アニス店長、どうするんですか?」


「一体ずつ相手に倒すという手もあるけど、面倒だし、纏めて一気にぶっ潰した方がよさそうね……エルフィー、下がってなさい」


「あ、はい」


アニスさんにそう言われたので、僕は、後ろに下がり、アニスさんが何をするか、見届ける事にした。


「この呪文にしましょう、光りより来りし者、闇より来りし者、我前に立ち塞がる者全てを薙ぎ払え……シャイニング・イグニッション!」


すると、杖から大きめな稲光が発生して、敵に一直線に向かった後

敵を全てロックオンして、全てのレザーウルフに稲光が、命中した。

圧倒的な破壊力により、レザーウルフは叫び声もあげる事なく、一瞬で蒸発

数十頭いたレザーウルフが、簡単に消滅して、その場に残ったのは、紫に光る結晶体が、出現した。


「これが、紫結晶よ。エルフィー、急いで集めるわよ?」


「あ、はい」


僕は、言われた通りに紫結晶を拾い上げ、ポケットの中に入れた。

紫結晶を全て、取り終えた後


「じゃあ、出ましょうか?」


と言っていたので僕は、それを了承して西の洞窟を出る。

西の洞窟を出て、シュミッツ平原をサーシャルランド方面に向けて、歩いていると


「あ~~~!!エルフィー!?」


「え?」


そう言われて、呼び止められ、振り向くと、そこにいたのは、金髪の十代ぐらいの女性だった。うん、この人、誰なんだろ……?


「エルフィー、知り合い?」


アニスさんがそう言ってきたので


「いえ、知らない人です」


「何、言ってるの? 本当に心配したんだから?」


そう言われて思いつく事は、多分と言うか……僕がこの体、エルフィーに転生する前に出会った人物なんだと思う。とりあえず僕は、記憶を失ったふりをする事にした。


「すいませんが・・・・・・僕、記憶を無くしてまして、貴方がどういった人物なのか、全く知らないんです」


「え……ほんと?」


「はい」


「そう……じゃあ、教えてあげるわ、私は、アリサ、貴方と一緒に冒険者パーティを組んでた者よ? 私が魔法使いで、貴方が剣士だったの、それも思い出せない?」


「ええ……すいませんが……」


「そう……」


「なんだか知らないけど、今は、私のお店の従業員って事になってるから、私のお店に来れば、会えるわよ?」


「あ、そうなんですか……今、私も依頼を受けてる途中だし……じゃあ、依頼が終わったら、向かうわ、じゃあね」


そう言って、アリサと呼ばれた人は、僕達から離れて行った。


「じゃあ、戻りましょうか、エルフィー」


「あ、はい」


こうしてサー僕は、サーシャルランドに戻る事にしたのだった。

うん、あのアリサって人が訪ねてきたら、どうしようかな……とか、考えていた。

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