●tRICK bAG「LAST EXIT」(ZAIN)
フラカンが30代バンドの代表格なら、こちらは40代バンドというべきか。もちろん30代以下のメンバーもいるが、なにしろ中心メンバーが1970年代前半から第一線で活躍している、永井"ホトケ"隆と森園"カオス・モリ"勝敏の二人である。立派なオッサン・バンドである。
基本的にはBLUESとR&Bを演奏するバンドなのだが、勿論、彼らのイディオムはそれだけにとどまらない。ジャズ的なアプローチあり、ハード・ロック的なアプローチあり、さらにはカントリーやヒップホップまで取込んで、オール・アメリカン・ミュージックをカバーしている。
「一芸」勝負の若手バンドには絶対真似の出来ない、引出しの多さがこのバンドの強み。なんたって、コテコテのブルースもやりゃ、ドアーズ、アニマルズもこなし、ディープなソウル・バラードもおまかせ。聞き物はやっぱり、森園の超絶技巧ギター。本場アメリカへ持っていったって即通用する、数少ないジャパニーズ・ギタリストだと思う。「四人囃子」のイメージだけ抱いて聴くと、ビックリするくらいオーソドックスなプレイもできるひとなのだ。
こんなアルバムがB'ZやZARDを擁するレコード会社からリリースされているというのも不思議な気がするが、セールスは社内ではビリなんだろうな、やっぱり(タメ息)。
でもいいものはいい、ということでお薦めします。一度騙されたと思って聴いてみてください。
(2000.11、原文ママです)
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