ShinigamiSaruyume

「はぁ、疲れましたね」


僕の仕事は、悪人を次々に処刑していくこと。

気持ちいいんです、これが。

でも、やりすぎるとさすがに疲れます。


「また、が来ればいいのに……。」


そう思っていると、列車の音が聞こえてくる。

それを聞きながらフラフラしていれば、気付けば駅のホームにいる。


本当に不思議な仕組みです。

僕の友人は『夢』と『現実』を操るのが得意なので、それが関係しているのでしょうか。

まあ、その友人はこの列車の車掌さんなので絶対関係していると思います。


音が近づき、列車が来ます。

僕はその列車に乗りました。






「えー、本日は『猿夢列車』をご利用いただきありがとうございま……って、あなたでしたか」

「急に冷めるの結構傷つきます」

「そうですか、今からコーヒーでも飲みながらまったりアナウンスしようと思っていたのに」

「相手が僕だからって仕事を怠らないで下さいよ……。」


全く、仕事をサボるとは……

本当は処刑リストに入れたいけれど、我慢しておきますよ。

コイツは人間とは違うので、軽々と処刑できるわけでもないし。

よく分からない奴ですが、僕と同じ死神……だと思います。

多分。


「まあまあ、似た者同士仲良くしましょうよ」

「確かに僕達は似ていますよ?一人称が『僕』だったり敬語を使ったり人を○すのが好きだったり、共通点はたくさんあります。でも車掌さんが仕事を怠るのとは関係ありません!」

「はぁ、分かりましたよ……。えー、まだ着きませーん。」

「何ですかそのアナウンスは。ってか、運転手の小人にもっとスピード上げられないか言ってほしいんですがー。あなたの手下なんでしょー?」

「これが限界ですー。」


まだ着かないのでしょうか、僕の家。

死神パワーでテレポート?

遠い所は行けないんですよ……。


「はぁ……またストレスが……ゆっくり休んで仕事で解消しなきゃ……」

「……僕達って"Sコンビ"なんでしょうか」

「確かに、どっちもサドですね」

「それもあるんですが……まあいいでしょう。あ、もうすぐ着きますよ。」


……え?

それもある?

他の理由もあるってことですか?


「ちょ……めっちゃ気になるじゃないですか!」

「SinigamiとSaruyume、じゃないですか」

「……えぇ?」

「あっ、もう着きますよ。間もなくー、地獄ー。地獄ー。」


死神……猿夢……?

うーん、地獄に帰って休みながら考えることにしましょ……。






※コイツらは『ハーメルンの死神』に出てきた死神と、『猿夢列車と死にたい子』に出てきた車掌と同一人物。

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