作者の実体験を元に、創作を。……あ、ただの体験談もありますね。

selfish

俺は誘拐犯。

それでもそこら辺にいる誘拐犯じゃなくて。

俺の目的は金じゃない。

最近の世の中は生きづらいから。

ただ生ぬるい世の中を変えたかっただけだ。


適当に集めた人間共。

監禁した人間共。

目の前には深い落とし穴。

逆らうな。

落ちたら死ぬ。

じっとしていろ。

恐れろ。


見ているか人間共。

この事件は恐らく。

容易く電波に流されて。

あっという間に広がるさ。

ここからが本当の楽しみだ。

要求はただただ

「生ぬるい世の中を変えろ!」

それだけ。


何日でも

何週間でも

何ヵ月でも

何年でも

この事件を通して、絶対に世の中を変えてみせるさ。

長い間かけて作ったこの落とし穴があれば怖いものはないさ。

世間が要求を呑まないなら拘束された人質を落とすだけ。

なあ、簡単だと思わないか?



「……早く解放して下さいな」



……は?

愚か者め!

どうして逆らうんだ?


「死にたいのか?」

「……死にたくないです」

「なら逆らうな」

「……無理です」


話にならない。

もういいや。

静かになっちゃえばいいじゃん。



「死ね」



落とし穴に落とす。

あっけない。

込み上げてくる笑い。

馬鹿げた人間。



だと思っていた。

落とし穴の底を見た。

あの人間はいなかった。

色とりどりの服を着たアイツ。



でも、代わりに後ろに気配を感じた。



嫌だ。

俺は悪くない。

悪くない。

悪くない。

悪くないんだ。


「selfish。

他人を生ぬるいって言ってるあなたも生ぬるいですよ。自分のこと、もっと考えて下さいよ。」


悪くないってば。

悪くないよ。

悪くない。

悪くな……



「……あなたを何の物語に例えましょう……。……まあいいや。フツーに落としちゃいましょ♪」



その瞬間、俺は背中を押された。

落ちていく感覚に恍惚とする。


「まあ、これは夢なんですけどね」


……は?夢?


「どっかの人間が、1月22日と1月23日を繋ぐ夜に見た夢らしいです。僕もお邪魔しました。……って言っても分かんないか。」


夢?

これが?


「夢での僕は、膝蹴り1発でお仕置き終了みたいな感じだったらしいけど……実際の僕はそんなに優しくないですよ。さようなら。」


……嫌だ。

selfishで終わりたくない。

助け……






※ま た お 前 か

お察しの通りハーメルンの死神と同一人物です。

これは私が見た夢を元にして書いたやつ。

それにしても、英語がダサい。

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